みらいワークスは2025年7月9日、コンサルティング業界への転職志望者を対象としたウェビナーを開催しました。今回のテーマは「人事・組織開発コンサルファームのマネージャーが語る人事コンサルタントの魅力とは?」。
株式会社NEWONE コンサルティング事業部マネージャーの森啓亮氏をゲストに招き、コンサルネクスト(運営会社 株式会社みらいワークス)・シニアコンサルタントの塚田真仁と、人事コンサルタントの業務内容や働き方、魅力をディスカッションしました。
登壇者のご紹介
森 啓亮(もり・けいすけ)氏
株式会社NEWONE コンサルティング事業部 マネージャー
新卒で大手教育業界企業へ入社後、2015年に大手人材グループ企業へ参画。働き方改革のコンサルティング、新卒・中途採用コンサルティング、DX人材育成サービスのマーケティング企画などの業務に従事する。2022年にNEWONEに参画し、コンサルティング事業の立ち上げに従事。現在はマネージャーとして企業のエンゲージメント向上に関連するコンサルティングプロジェクトを多数手がける。
塚田 真仁(つかだ・しんじ)
コンサルネクストシニアコンサルタント
(運営会社 株式会社みらいワークス)
新卒で製造業の大手メーカー系半導体商社に入社し、法人営業を10年間経験。その後MBAを取得し、組織変革や人事マネジメントを専門とするコンサルティング会社で製造業や物流業の大企業向けコンサルタントを多数手掛けた。加えてITやBCP関連のコンサルティング業務を経験後、2017年にみらいワークスへ参画。現在はコンサル転職特化型エージェントサービス「コンサルネクスト」を推進している。
はじめに:登壇者紹介

塚田:本日のセミナーは「人事・組織開発コンサルファームのマネージャーが語る人事コンサルタントの魅力とは」と題して、株式会社NEWONE コンサルティング事業部マネージャーの森様とディスカッションさせていただきます。森様、本日はよろしくお願いいたします。
森:よろしくお願いいたします。私、株式会社NEWONEのコンサルティング事業部に所属しております、森と申します。簡単に経歴を紹介させていただくと、新卒で大手大学受験予備校に入社し約3年半勤務しました。その後、人材系のパーソルグループに入社して10年ほど経験を積み、2022年に現在のNEWONEへ参画しました。NEWONEではコンサルティング事業の立ち上げをさせていただき、当時のコンサルタントは1名というところから、現在10名強の体制になっています。

塚田:NEWONEについて、事業内容などを教えていただけますでしょうか。
森:当社は創業8年の人事・組織開発コンサルファームです。「働き方改革」が生まれた2017年に、代表の上林周平が創業しました。組織・人材開発を目的とした企業研修事業とコンサルティング事業、さらにこの2事業を補完する形でHRテック事業を手掛けています。
塚田:それでは早速ディスカッションのテーマに入りましょう。本日は以下のテーマでディスカッションを進めます。
1.人事コンサルって何をするの?
2.なぜ今、人事コンサルが増えているのか?
3.人事コンサルの魅力、NEWONEと他の人事コンサル会社との違いは?
4.コンサル未経験でも人事コンサルになれるのか?
近年求められている人事コンサルの業務範囲とは

塚田:1つ目のテーマは「人事コンサルって何をするの?」です。人事コンサルと聞くと、人事戦略の策定から人材育成支援など幅広く人事に関する業務を行うイメージですが、実際はいかがでしょうか。
森:挙げていただいた業務以外にも様々あります。最近のトレンドだと人的資本経営において何をゴールとするか、そして自社の戦略に合致する形で人・組織の面でどう戦略を描くかという、上流からの支援が増えています。
そのほか、DXも人事コンサル領域では必要性が叫ばれるようになっています。会社としてデータドリブンで人と組織を見ていくために、タレントマネジメントシステムを導入して社員のキャリアアップを支援したり、人事系システムを刷新して新たな評価制度の導入や他システムとの連携を進めたりする企業も増えています。
定性および定量的なデータから社員のパフォーマンスを高めるために何が必要なのかを探り、制度に落とし込もうとするニーズも増えています。
塚田:DXやシステム系を取り扱わないコンサルを「非IT」と言いますが、エンゲージメントや先ほど出たタレントマネジメントシステム導入のお話などを聞くと、人事コンサルも今やITを取り扱うコンサルなのですね。

DX推進の波と売り手市場の影響で人事コンサルのニーズは高まる

塚田:次に人事コンサルが増えている現状について、なぜニーズが高まっているのかお聞きします。今回は人的資本経営ニーズの高まり、人事領域へのDX推進、他社との採用競争の激化という3つの軸からお話をお聞きします。
まず1つ目の「人的資本経営ニーズの高まり」からお聞きします。例えば昔で言うとリストラという言葉が横行した時代があり、人=コストという考え方でした。いつ頃から人をコストではなく資産として扱うように変わってきたのでしょうか。
森:きっかけは、働き方改革が叫ばれ始めた2010年代後半です。当時から「未来では働き手が間違いなく減る」などと言われており、人手不足だからこそ、「人材を選別する」という考え方から「自社を選んでもらう」という考え方に変わっていきました。
塚田:私が社会に出た就職氷河期の時代、たしかに人手不足や自社を選んでもらうという概念があまりありませんでした。2010年代後半ごろから人手不足が叫ばれるようになり、社員エンゲージメント調査などが始まりましたね。
森:またコロナ前後から、新卒の就職や中途の転職活動において求人倍率も上がってきて売り手が有利な時代になっている傾向も顕著です。社員のために働く環境を整備し、社員を引き留めるためのエンゲージメントといった文脈でもニーズが高まっています。
塚田:また先ほどあったように人事領域にDXが入ってきたということで、人事業務も業務の効率化やデータ活用などを求めるようになってきました。そういったニーズも今はかなり増えていますか?
森:増えています。例えばエンゲージメントサーベイや労働時間に関する情報など、会社に眠る材料はたくさんあるにもかかわらず、人手が足りず有効活用できていないという相談が増えています。そこで今あるデータをどう効率的に活用していくかというHRデータの活用ニーズが増えているのです。
塚田:人的資本経営が重視されるようになり、働き方改革で残業は減らさなければいけないものの、人事としてやるべきこと自体が増えているため効率化する必要があるのですね。
森:多くの企業の人事部は、少ない人員でさまざまな業務に携わっています。そのため、仕事が多すぎて必要な取り組みに着手できないという課題があると捉えています。この部分をどれだけ効率化できるかというのは重要なテーマになっているのでしょう。
塚田:最後に他社との採用競争の激化についてです。人が採用しづらく定着化に悩む企業も多いのではないかと思いますがいかがでしょうか。
森:非常に多いです。いかに採用のプロセスを最適化していくか、人事の人手不足という側面からRPOと言われる採用領域のアウトソーシングに関する相談も増えています。
最近では入社直後にオンボーディングを行う会社は多いものの、転職しやすい時代だからこそ短期的に離職してしまうことが多々あります。入社後いかに馴染んでいただき会社とのエンゲージメントを早期に醸成していくかという、関わり方をテーマにした相談も増えている印象です。
人事コンサルの魅力とNEWONEの強み
塚田:次に人事コンサルの魅力をお聞きします。御社の強みと合わせて人事コンサルの魅力を教えてください。
森:当社の一番の強みは「人や組織に対して感情面からアプローチし、変化に対する前向きな意欲を引き出すことで自己変革を促す能力」を持っていることだと考えています。
先ほどDXの引き合いが増えているという話もありましたが、そのようなハード面だけではなくソフト領域の部分に強みを持っているのが当社の特長です。
例えば、ある会社で事業成長とともに人も急激に増えているとします。人事制度だけ変更しても現場に受け入れられない中、変化を前向きに受け止めてもらい進めるためにはどうしたらよいか。当社では一般的な人事制度変更の説明会ではなく、ワークショップという形で人事制度を伝えるようにしています。私たちがファシリテーションしながら現場の本音を受け止め、「より良い組織にしていくためには?」と最終的に自分事となるよう促していきます。
塚田:ワークショップで現場の方と実際に話すとなると、クライアントの経営戦略から現場の実業務まで理解しておく必要がありそうですね。
森:クライアントの戦略が具体的にどこへ向かい人事面で何が重要なのか、実態として業務がどうなっているか、私たちも現場の方と対等に話せるくらい理解できるようにしています。
また表面上の人事制度ではなく、本質的な課題と向き合う点も、クライアントにパートナーとして認めていただいているのではと考えます。そういった深い関わり方ができる点は大変さでもあり大きな魅力でもあります。
塚田:現場の方からの抵抗や反発などもやはりあるのでしょうか。
森:はい、組織を変えるということは多かれ少なかれ反発や抵抗の声もあります。反対意見を持っている方には個別で話して本音を粘り強くお聞きします。「会社の方針ですから」と一刀両断するのではなく彼らの言い分や事情を受け取っていくことで、後ろ向きだった態度が徐々にニュートラルになっていく変化は、人事コンサルならではの体験です。
大切なのは3つの素質。未経験でも人事コンサルになれる
塚田:次にコンサル未経験でも人事コンサルになれるのか、というセクションに移ります。人事コンサルに必要な素質など、森さんの主観で構いませんので教えていただけますでしょうか。
森:前提として未経験でも人事コンサルになることは可能です。私自身、1社目から2社目に転職するときは全くの未経験からコンサルになりましたので、主に自分の経験から感じるいくつかのポイントをお話します。
1点目は、学ぶことが好きということです。やはりいろいろな業界のクライアントやコンサルのテーマが出てくるため、学び続ける姿勢が必要な仕事だと個人的に感じています。
反対に既存のやり方に固執してしまう人は難しいかもしれません。2点目は、一見答えがないものに対して、自分で仮説で答えを作っていくところに楽しさを感じられるかどうかです。テーマは似ていても、クライアントの状況によって出てくる論点や選択肢、最適解は異なります。一般論を持ち込んでも納得感は生まれないため、クライアントに対するアプローチは毎回変わります。難しさを感じる瞬間はたくさんありますが、考え続けて難しさを超えていく楽しさも実感しています。このような「考える体力」は、経験あるなしに関わらず重要と考えています。
根本的な部分で人が好きかどうかも大切です。これは人事コンサルには欠かせない素質と言えます。
塚田:クライアントのためにどれだけ日頃から学び、考え続けられるかということですね。
森:ロジカルシンキングのようなポータブルスキルや人事領域の知識などももちろん大切ですが、それ以前に今お話した前提としているものがあれば、いくらでも後から身につけられるものだと考えています。
塚田:未経験の方もかなり勇気づけられるお話でしたね。ロジカルシンキングなどのポータブルスキルだけでなく「人」と関わるからこそ、求められるスキルを必要とする人事コンサル。未経験だからといって諦めず、ぜひ学び続けることが好きな方や、本当にクライアントのために必要なことを考えることが好きな方はチャレンジしていただきたいですね。








