NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2026年6月1日、報告書「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」を発行しました。日本が新たに取り組むべき領域や、取り組みを強化すべき領域を提案しています。
「Innovation Outlook」は、NEDOのイノベーション戦略センター(TSC)が2024年度から策定を開始。2025年7月に初版を発行し、今回発行した「Innovation Outlook Ver. 1.0増補版」では、社会課題解決に向けて新たに取り組むべき領域をまとめています。
「Innovation Outlook」では「MFTロジックモデル」と呼ぶフレームワークを使って市場を分析。多様化、複雑化するニーズや社会課題に応える新たな機能や提供価値を考え、新規・既存機能や技術と組み合わせることで解決策を導き出します。政策動向や社会課題も加味し、解決策や提供すべき価値を取り組むべき領域として示しています。「Ver. 1.0増補版」では、取り組むべき領域の中から将来性や革新性、日本の強み、経済安全保障上の重要性、民間でのリスクを勘案。日本が新たに取り組むべき領域を「フロンティア領域等」として12の領域を提示しています。
具体的には次の12の領域を提案します(図1の黄色のボックス)。
・脳・神経機能の回復・拡張や人機協働を実現するブレインテック・ニューロテック
・自動化・省人化・デジタル化/デジタル感性
・自動化・省人化・デジタル化/海洋ロボティクス
・自動化・省人化・デジタル化/量子センシング
・数理科学による産業革新/幾何×情報に基づく産業基盤の高度化
・重要元素のリサイクル(レアメタル・レアアースなど)
・ネガティブエミッション技術/海洋CDRの工業的技術
・長期エネルギー貯蔵による変動性再エネ最大活用
・省電力・高速情報処理/原子層エレクトロニクス
・省電力・高速情報処理/フォトニクスコンピューティング
・持続可能農業に向けた微生物活用
・高度センシングによる先制ヘルスケア/精密栄養と環境防疫を基軸とする行動変容モデル構築
NEDOは今後、これら領域の推進を支援するため、社会実装までの道筋を描いたマネジメントフロー構築を検討します。マネジメントフローでは、各領域の課題解決策を産業界やアカデミア、スタートアップなどから募集し、社会実装までの流れを仮説として示したイノベーション戦略案を策定。その後、経済産業省に提案するなどして重点フロンティア領域を絞り込んだり、仮説検証を実施したりしてイノベーション戦略を取りまとめます。この戦略に基づき、国家プロジェクトや民間事業として社会実装に向けた取り組み始められるようにします。
TSCは今後も社会課題の解決や新産業の創出につなげることを目指します。「Innovation Outlook」を通して、革新技術の社会実装に向けた事業モデルの構築、ルール・標準の整備、社会受容性の醸成などに取り組み、社会システムの変革を推進します。
【関連リンク】
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
https://www.nedo.go.jp/
Innovation Outlook Ver1.0 増補版
https://www.nedo.go.jp/content/800056058.pdf