新規事業領域のブティックコンサルティング市場規模は増加傾向、2029年には2024年の2.4倍となる363億円まで成長/Relic調べ

Relicは2025年2月4日、新規事業開発を支援するブティックコンサルティング企業についての調査結果を発表しました。2029年までの市場規模を予測するほか、コンサルティング企業とクライアントが協働で事業を進める「共同開発モデル」の市場規模を調べました。
Relicが実施した調査では、企業が新規事業を開発する際にブティックコンサルティング企業に支払う投資額や支出額を市場規模と定義。2029年までのブティックコンサルティング市場規模を予測しました。その結果が図1です。なおブティックコンサルティング企業とは、特定領域・専門領域に特化したコンサルティング企業を指します。
図1:新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場規模の推移(出典:Relic/デジタルインファクト)
2025年の市場規模は177億円で、2029年には約2倍の363億円に達する見込みです。2023年から2029年までに限ると、市場規模は年々増加傾向にあることが分かります。
調査を実施したRelicは、企業の新規事業開発への投資意欲は高いと推察します。さらに新型コロナウイルス感染症によるビジネス環境の変化も、企業の新規事業開発への意欲を後押ししているといいます。一方、新規事業開発を主導できる人材育成や組織開発の必要性が高まったことで、コンサルティング企業への支援依頼が増えていることも市場拡大の一因だと考察します。その他、大企業だけではなく中小企業の新規事業開発が進む中、中小企業向けに短期間・低単価の支援サービスを打ち出すブティックコンサルティング企業が参入しつつある点も、市場の成長を後押ししていると同社は分析します。
図1では、コンサルティング企業とクライアントが協働で事業の主体者となる「共同開発モデル」の市場規模も予測しています。2025年は177億円の市場規模に対し、「共同開発モデル」の市場規模は全体の19%となる34億円と予測します。2029年は363億円の市場規模に対し、「共同開発モデル」の市場規模は全体の25%となる90億円と予測します。「共同開発モデル」による事業化の動きは年々拡大し、2029年には市場全体の約4分の1を占めるまで成長すると予測しています。
Relicは「共同開発モデル」の市場規模が拡大する背景について、企業のカーブアウトや出向起業制度への理解が進んだことが一因と推察。さらにコンサルティング企業とともに事業開発を進めることで、人材や組織の成長に寄与できると考える大企業が多い点も要因として指摘します。今後は既存企業とは別の企業体やチームで新規事業開発を進めていくケースも増え、「共同開発モデル」の市場は継続的な成長を見込めると同社は分析します。
【調査概要】
調査主体:株式会社Relic
調査時期:2024年7月~10月
調査方法:新規事業開発を支援する業界関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
ヒアリング調査数:新規事業開発を支援する業界関係者10社(件)
調査対象:新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場
調査機関:株式会社 デジタルインファクト
【関連リンク】
株式会社Relic
https://relic.co.jp/
プレスリリース
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