JTBがサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットの実績発表、男女賃金差異や男性育児休業取得率などで目標を下回る結果に

JTBは2025年7月31日、ESG戦略に基づくサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)の達成状況を発表しました。男女の賃金差異や男性の育児休業取得率などの改善目標に対し、2024年度はどの程度の実績だったのかを公開しました。

JTBはサステナビリティ戦略を推進する一環として、三菱UFJ銀行と2024年5月にサステナビリティ・リンク・ローン形式のコミットメントラインを締結。環境問題や社会問題を解決する取り組みに注力しています。
初年度となる2024年度は、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス/企業統治)のうち「S」と「G」に関連する3つのSPTsを設定しました。具体的には、「男女賃金差異」、「男性育児休業取得率」、「エンゲージメント指標『私は、会社の未来に希望を持っている』」の3つ。それぞれの数値目標と実績を示したのが図1です。

図1:2024年度のサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットの目標と実績(出典:JTB)

「男女賃金差異」の場合、目標の62.0%に対して実績は59.9%でした。「男性育児休業取得率」の場合、目標の100%に対して実績は71.1%でした。「エンゲージメント指標『私は、会社の未来に希望を持っている』」の場合、目標の65.0%に対して実績は62.2%でした。3つとも目標を下回る結果となっています。

2025年度はこれら3つに加え、「E」に関するSPTsを1つ追加。高い次元で社会への責任を果たせるように、SPTsの目標達成に向けて取り組む考えです。2025年度と2026年度の数値目標を示したのが図2です。

図2:2025年度と2026年度のサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットの目標(出典:JTB)

上記3つのSPTsの数値目標を新たに設定するとともに、新たに追加したSPTs「CO2排出量(Scope1、Scope2)」の2025年度の目標を1万3503トン、2026年度の目標を1万813トンに設定。自社で排出する温室効果ガス削減に取り組むことで、サステナビリティ戦略をさらに加速させる考えです。

なお、JTBが設定するSPTsは、日本格付研究所の「サステナビリティ・リンク・ローン原則」と「サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」に適合したもの。目標数値が「野心的である」と第三者の意見を取得しているといいます。

【関連リンク】
株式会社JTB
https://www.jtbcorp.jp/jp/

日本格付研究所(第三者意見書)
https://www.jcr.co.jp/greenfinance/