ライフスタイルに合った働き方を模索できる東京エリア以外の求人

東京エリア以外の地域に拠点を置くコンサルティング会社は増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの普及、さらに、地域を問わず企業のデジタル化需要が増加したことにより、東京エリア以外でもコンサルティングのニーズが高まっています。これまで東京エリアに集中していた求人も、東京以外の勤務を前提とした求人が増えつつあります。

東京エリア以外といっても、東京と比べてコンサルタントの業務に差異があるわけではありません。東京エリア以外の地域のコンサルティング案件は、DXやAI活用、業務改革などが多く、これらは東京の大手企業の案件の傾向と変わりません。企業にとってDXやAIは、地域を問わず必須の課題となっています。東京と東京エリア以外では案件の規模に多少の差異はあるものの、総合的かつ高度なコンサルティングを求める企業は全国で確実に増えています。

東京以外の勤務となる場合、多くのコンサルティング会社が即戦力となる人材を求める傾向にあります。特にマネジメント経験を有する人材や、特定分野における専門的なスキルを持ったスペシャリスト層が求められる傾向にあります。一方、単にビジネスの視点に優れているだけでなく、地域の文化やその土地特有の課題を理解するコミュニケーション力も問われます。東京エリア以上に「人と人との信頼」が重視される地域では、現地企業との関係構築に長けた人柄を重視するコンサルティング会社が少なくありません。

当初から東京エリア以外の勤務を前提として、コンサルティング業界未経験者を採用するコンサルティング会社もあります。ただし、生成AIやクラウドサービスの導入に精通するなど、比較的新しい専門分野を得意とするなどの条件が求められるケースがあります。一方、前職で業務改革経験や行政関係のプロジェクト経験がある人材は、未経験でも案件への参画が可能な場合があります。特に地域企業の経営に関わる業務経験者や、自治体および地銀などで勤務経験を持つ公務員出身者が、未経験でコンサルタントに転職するケースは少なくありません。勤務先となる地域の事情に精通していることは、転職時のアドバンテージになるでしょう。

東京エリア以外のコンサルティング市場は今後も拡大することが見込まれます。企業や自治体の課題が複雑化・高度化している現在、地域に根付いたプロフェッショナルな支援が不可欠という認識が定着しているためです。こうしたニーズに応えようと、U・Iターンを希望する優秀な人材を積極的に採用するコンサルティング会社も増えています。地域企業のニーズと求職者のニーズが合致していることから、東京エリア以外のコンサルティングの存在感はますます高まると見られます。

コンサルネクスト・シニアコンサルタント　
塚田真仁