リスキリング施策の効果を実感する企業は8割強、学習意欲の継続と成果の可視化が施策定着の鍵/イー・コミュニケーションズ調べ

イー・コミュニケーションズは2026年4月24日、リスキリングに関する調査結果を発表しました。従業員数が300名以上となる企業の人事・人材開発担当者111名に、リスキリング施策が成果に結びついているか、効果測定の実施状況、推進する上での課題などを聞いています。

政府が2022年にリスキリングの支援を表明して以降、自社のリスキリングの取り組みが活発になったかを聞いた結果が図1です。

図1:2022年に政府が「5年間で1兆円のリスキリング支援」を表明して以降、自社のリスキリングへの取り組みは以前と比べて活発になったと思いますか。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「ややそう思う」と答えた割合がもっとも多く、54.1%でした。「非常にそう思う」(34.2%)を合わせると、9割近くの企業が、政府の後押しをきっかけに取り組みが活発になり出したことが分かります。

リスキリングの取り組みが活発になったと感じる理由を聞いた結果が図2です。前問で「非常にそう思う」と「ややそう思う」と答えた人に聞いています。

図2:前問で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。自社のリスキリングへの取り組みが活発になったと感じる点を教えてください。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「eラーニングや研修コンテンツの種類が増えた」と答えた割合がもっとも多く、62.2%でした。以下、「対象社員の範囲が広がった(管理職・非正規社員等)」(50.0%)、「資格取得支援制度が充実した」(42.9%)と続きます。

では、リスキリング施策が社員のスキル向上や業務の成果に結びついているのか。その実感度を聞いた結果が図3です。

図3:あなたは、自社のリスキリング施策が社員のスキル向上や業務成果に結びついていると実感していますか。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「ややそう思う」と答えた割合がもっとも多く、52.3%でした。「非常にそう思う」(30.6%)と合わせると、8割以上の人事担当者が、自社のリスキリング施策によって社員のスキルが向上、もしくは業務の成果に結実していると感じていることが分かります。

スキル向上や業務成果に結びついていると実感する理由を聞いた結果が図4です。

図4:前問で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。成果に結びついていると実感している理由を教えてください。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「業務効率やアウトプットの質が改善したから」と答えた割合がもっとも多く、62.0%でした。以下、「社員のキャリア意識や学習意欲が高まったから」(46.7%)、「社員のデジタルスキルが目に見えて向上したから」(38.0%)と続きます。

では逆に、社員のスキル向上や業務成果に結びついていないと感じる理由は何か。前々問で「あまりそう思わない」、「全くそう思わない」と答えた人に理由を聞いた結果が図5です。

図5:前々問で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した方にお聞きします。成果に結びついていないと感じる理由を教えてください。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「社員の学習意欲が続かないから」と「学んだスキルを活かせる部署や業務がないから」と「施策が一過性で継続的なフォローがないから」と答えた割合がもっとも多く、3つとも35.3%でした。以下、「効果を定量的に測定する仕組みがないから」と「経営層や現場の理解・協力が得られないから」がともに29.4%で続きます。

リスキリング施策の効果を定量的に測定できているかを聞いた結果が図6です。

図6:あなたの会社では、リスキリング施策の効果を定量的に測定できていますか。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「ある程度は測定できている」と答えた割合がもっとも多く、51.4%でした。「十分に測定できている」(25.2%)を合わせると、8割近くの企業が何かしらの方法でリスキリング施策の効果を測定する環境を構築していることが分かります。

では、リスキリング施策の効果を測定できない理由は何か。前問で「あまり測定できていない」、「全く測定できていない」と答えた人に、理由を聞いた結果が図7です。

図7:前問で「あまり測定できていない」「全く測定できていない」と回答した方にお聞きします。効果測定が十分にできていない理由を教えてください。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「測定するためのツールやシステムがないから」と答えた割合がもっとも多く、50.0%でした。以下、「何を指標にすべきかが定まっていないから」と「短期間では成果が見えにくい取り組みだから」(ともに37.5%)、「測定に必要な人員や工数を確保できないから」(33.3%)と続きます。

リスキリング施策を進める上での課題を聞いた結果が図8です。

図8:リスキリング施策を推進する上で、現在最も課題に感じていることを教えてください。(上位3つまで回答可)(出典:イー・コミュニケーションズ)

「社員の学習意欲やモチベーションが続かないこと」と答えた割合がもっとも多く、55.9%でした。以下、「社員の学習時間の確保が難しいこと」と「経営層の理解や投資判断を得ることが難しいこと」(ともに31.5%)、「施策の効果測定やROIの可視化ができていないこと」(27.0%)と続きます。

リスキリング施策の成果を高めるために今後強化したいことを聞いた結果が図9です。

図9:今後、リスキリング施策の成果を高めるために強化したいと考えている取り組みを教えてください。(出典:イー・コミュニケーションズ)

「学習後の理解度テスト・スキル評価の導入」と答えた割合がもっとも多く、58.6%でした。以下、「個々の社員に合った学習プランの設計」(38.7%)、「eラーニングコンテンツの充実・多様化」(35.1%)と続きます。

調査を実施したイー・コミュニケーションズは、企業のリスキリング施策が政府支援を契機に大きく前進し、一定の成果実感を得ている段階にあると評価します。しかし、学習意欲の継続や効果測定の仕組みづくりといった「定着・検証フェーズ」の課題を改善することが重要と指摘します。今後は、学んだスキルを業務で活かす機会の創出と、成果を可視化して改善サイクルを回す体制を構築することが必要だと訴えます。

【調査概要】
調査期間:2026年3月27日〜3月30日
有効回答:従業員300名以上の企業の人事・人材開発担当者111名

【関連リンク】
株式会社イー・コミュニケーションズ
https://www.e-coms.co.jp/

本調査のダウンロード
https://www.e-coms.co.jp/dowloads/20260424