6割が国のリスキリング支援制度や関連事業を知らないと回答、一方で新たな技術習得やキャリアップができたという声も、ベント調べ

ベントは2024年10月30日、「人材開発支援助成金」や「キャリア形成・リスキリング推進事業」といった国の施策に関する調査結果を発表しました。これらの施策の認知度や、活用することでどんな効果を出したのかなどを聞いています。

人材開発支援助成金は、従業員の職業訓練に費やした経費や訓練期間中の賃金の一部を補助する助成制度。目的などに応じたコースを用意し、その中には新たな分野で必要な知識や技能を習得する際の経費などを助成する「事業展開等リスキリング支援コース」もあります。

一方のキャリア形成・リスキリング推進事業は、厚生労働省が委託する企業が、個人や企業、団などを対象にリスキングやキャリア形成を支援する取り組み。無料のセミナーや研修などを通じて社員の育成を支援します。

今回の調査では、こうした国による支援施策の理解度などを聞いています。まず、「人材開発支援助成金」を知っているかを聞いた結果が図1です。「キャリア形成・リスキリング推進事業」を活用すれば無料で支援を受けられることを知っているかも聞いています。

図1:人材開発支援助成金について知っていますか?/厚生労働省が従業員のキャリア形成・リスキリングを無料でサポートしてくれる制度があることを知っていますか?(スキルアップ研究所調べ https://reskill.gakken.jp/4379)

「人材開発支援助成金」を「知らない」と答えた人が60.8%を占めます。「よく知っている」(6.6%)と「聞いたことはある」(32.6%)と合わせた割合は約4割にとどまります。一方、キャリア形成・リスキリング推進事業による無料支援を「知らない」と答えた人は62.2%でした。どちらの支援施策も十分認知されているとは言えない状況であることが分かります。

そもそも、会社は人手不足を課題として認識しているのか。その状況を聞いた結果が図2です。

図2:あなたの職場では人手不足が課題となっていますか?(スキルアップ研究所調べ https://reskill.gakken.jp/4379)

「課題となっている」と答えた割合がもっとも多く、46.6%を占めます。「どちらかといえば課題となっている」(38.0%)を合わせると、8割以上の企業が人手不足に陥っていることが分かります。調査を実施したベントは、人手不足を解消する手段の1つとして、社内の人材育成に目を向けることが必要だと推察します。このとき、人材開発支援助成金やキャリア形成・リスキリング推進事業を活用するのが望ましいと指摘します。

人材開発支援助成金やキャリア形成・リスキリング推進事業を活用してどんな効果を上げたのかを聞いた結果が図3です。人材開発支援助成金、キャリア形成・リスキリング推進事業それぞれの効果を聞いています。

図3:人材開発支援助成金を活用してどのような効果が出ましたか?(職場で人材開発支援助成金を買うようしている人)/厚生労働省の無料サポートを活用して具体的にどのような効果が出ましたか?(職場で厚生労働省の無料サポートを活用している人)(スキルアップ研究所調べ https://reskill.gakken.jp/4379)

どちらも「従業員が新たな技術や知識を身につけた」や「従業員が現状の仕事をこなすためのスキルアップができた」という回答が上位を占めます。特に「人材開発支援助成金」を活用した人の6割以上が、新たな技術・知識を習得できたと回答し、企業のリスクリングの取り組みを支援する制度として有効であることが推察できます。

【調査概要】
調査名:人材開発支援助成金およびキャリア形成・リスキリング推進事業に関する実態調査
対象者:企業に勤めている方
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年10月8日~2024年10月15日
回答数:500

【関連リンク】
株式会社ベンド
https://reskill.gakken.jp/company