「コンサルタントが事業会社に転職することは可能?」「事業会社への転職で失敗する理由とは?」という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- コンサルタントが事業会社に転職するメリットやデメリット
- コンサルタントが事業会社に転職する場合の年収
- 事業会社への転職で評価されるスキルや成功させるポイント
の順に解説します。
コンサルタントから別のキャリアを目指したい方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
事業会社に転職するコンサルタントは多い?
コンサルタントのキャリアパスは多岐に渡ります。特に事業会社への転職は、コンサルタントにとって人気のあるキャリアのひとつです。
高度なビジネススキルを有するコンサルタントは評価されやすく、事業会社への転職時も経験が有利に働くことがあります。
加えて、コンサルタントはさまざまな業界に携わる仕事です。支援していたクライアントの業界に興味をもち、事業会社に転職したというケースも少なくありません。
事業会社以外のキャリアパス
事業会社への転職以外に、コンサルタントのキャリアパスとして以下が挙げられます。
- プロフェッショナル(M&Aや会計士など)として転職する
- 他のコンサルティングファームに転職する
- 外資系企業に転職する
- 自分で会社を立ち上げる
- フリーランスに転身する
コンサルタントからマネージャーになる割合は全体の30%程度とされており、このタイミングで自身のキャリアについて見直すコンサルタントが多いです。
コンサルタントのキャリアプランについては、以下の記事を参考にしてください。

コンサルタントが事業会社に転職するメリット
コンサルタントが事業会社に転職するメリットはあるのでしょうか?以下で詳しく確認していきましょう。
計画から実行まで関われる
事業会社では、計画から実行まで関与することが可能です。
コンサルタントはあくまで外部人材であり、クライアントに対して戦略立案を行いますが、最終的な判断はクライアントによって行われます。
契約期間が終了してしまうと実行の段階まで関わることは難しく、戦略実行による効果を感じにくい点に不満をもつコンサルタントも多いです。
内部の人材であれば、計画から実行まで関われるため、企業に貢献している実感をより得やすいでしょう。
中長期的に事業に携われる
事業会社で働く方が中長期的に事業に携われます。
コンサルタントが対応するプロジェクトには、通常期限が設けられています。プロジェクトが終了すると、次のクライアントのサポートが始まるため、一つの事業に専念することはできません。
しかし、事業会社ではコンサルタントのような短期間の支援ではなく、中長期的に事業に携わることができます。
ワークライフバランスをとりやすい
事業会社の方がワークライフバランスを実現しやすいと感じているコンサルタントは少なくありません。
コンサルタントは、多くの業務に追われる仕事です。特にプロジェクトの開始時や終了時は激務になりやすいと言われています。
しかし、事業会社では時間に余裕のある働き方を実現しやすいです。近年は働き方改革に積極的に取り組む企業が増えており、より働きやすい環境となっています。
コンサルタントが激務と言われる理由については、以下の記事で詳しく解説しています。

経営に関与できる可能性がある
経営に関与できる可能性があることは、コンサルタントから事業会社に転職するメリットのひとつでしょう。
コンサルタントはクライアントの経営課題をサポートする仕事であり、経営に関する専門知識を身につけることができます。
そのため、経営戦略の立案や事業計画など、企業の経営に携わるポジションで採用されるケースも珍しくありません。
企業経営に携わることができれば、これまで以上の成長を実現できるでしょう。
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コンサルタントが事業会社に転職するデメリット
それでは、コンサルタントが事業会社に転職するデメリットはあるのでしょうか?
事業会社の組織体制に慣れるまで時間がかかる
コンサルタントから事業会社に転職した人の中には、「事業会社の組織体制に慣れない」と感じている人も見受けられます。
コンサルティングファームと事業会社では、組織体制が大きく異なり、これまでのやり方が通用しない場面が多いようです。
特に長い歴史をもつ大手の事業会社だと、独自のルールや慣習が強く残っているケースも少なくありません。そのため、合理的な思考ベースのコンサルタントは、ストレスを感じてしまう可能性があります。
職位レベルが下がる可能性
事業会社への転職により、職位レベルが下がる可能性があることを理解しておきましょう。
コンサルティング業界は成長スピードが早い業界です。コンサルタントとしての1年間は事業会社の3年間に相当すると言われることもあります。
そのため、若手のうちからマネージャーなどの役職につくコンサルタントも多いです。
コンサルティング業界の感覚で事業会社に転職してしまうと、処遇面や仕事内容で不満を感じてしまうかもしれません。
専門知識が求められる
コンサルタントから事業会社に転職する場合、専門知識が求められることを覚えておきましょう。
コンサルタントはさまざまな業界やプロジェクトに携わる仕事です。そのため、専門知識に加えて幅広い知識が身につきます。
一方、事業会社では幅広い知識ではなく、特定分野への深い理解が求められます。
幅広い知識を日々インプットするスタイルのコンサルタントにとっては、関わる分野が狭まり、物足りなさを感じる可能性があります。
異動・転勤の可能性がある
事業会社では、異動・転勤の可能性があります。
コンサルティングファームの場合、異動や転勤はほとんどありません。しかし、大手事業会社で働く場合は、部署の異動・転勤が必要になることがあります。
「同じ部署で専門性を磨きたい」という意向を持っている方にとっては、事業会社での働き方が合わない可能性があります。
コンサルタントが事業会社に転職する場合の年収
コンサルタントは給与水準の高い職種です。コンサルティング業界は実力主義であり、実力やスキルさえあれば、若手でも年収1,000万円に到達できます。
以下、コンサルティングファームにおける役職ごとの年収目安です。
役職 | 平均年収 |
---|---|
アナリスト | 500〜600万円程度 |
コンサルタント | 600〜1,000万円程度 |
シニアコンサルタント | 800〜1,200万円程度 |
マネージャー | 1,000〜1,500万円程度 |
シニアマネージャー | 1,500〜2,000万円程度 |
ディレクター・プリンシパル | 2,000万円程度 |
パートナー | 2,000〜3,000万円程度 |
このようにコンサルタントの年収は比較的高く、事業会社への転職で給与ダウンしてしまったというケースは珍しくありません。
年収を重視する方は、年収が高い会社の求人情報をメインで見たり、転職によるメリットがどれくらいあるかを考えたりすることをおすすめします。
事業会社で活かせるコンサルタントのスキル
事業会社では、コンサルタントのどのようなスキルを活かせるのでしょうか?
以下で、転職でアピールすべきスキルを紹介します。
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、複雑な事柄をシンプルに理解し、筋道を立てながら答えを導き出すスキルのことです。
コンサルティングファームほど論理的思考力は重視されませんが、事業会社においても論理的思考力は重要なスキルとして認識されています。
例えば、論理的思考力が高い人材に対しては、経営課題に対する適切なソリューションを提案する役割等が期待されるでしょう。
さらに、物事をわかりやすく説明できるスキルは、チーム内でのコミュニケーションを活性化させたり、上層部にプレゼンしたりする際に役立ちます。
クリティカルシンキング
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、物事をそのまま捉えるのではなく、本質を見極めようとする思考法です。
クリティカルシンキングがあれば、バイアスに基づいたアプローチではなく、データに基づいて論理的にアプローチすることが可能になります。
例えば、歴史のある事業会社にいては、業務フローの改善点が見落とされており、慣習的になってしまっているケースがあります。
そこでクリティカルシンキングがあれば、業務フローのボトルネックを見落とさずに改善へとつなげることができるのです。
課題解決能力
課題解決能力とは、課題解決に向けてアクションを起こせるスキルのことです。
コンサルタントはクライアントの経営課題の解決を支援する役割を担います。そのため、経験を通じて課題解決能力を身につけることが可能です。
事業会社においては、社内に存在する課題に対して、最適な解決策を提案したり、解決に必要な施策を推進したりする際に活かされるでしょう。
ドキュメンテーションスキル
ドキュメンテーションスキルとは、論点をおさえてわかりやすく情報を文書化するスキルのことです。
コンサルタントはクライアントへの提案のために、資料を作成する機会が多くあります。資料作成の業務で培ったドキュメンテーションスキルは、事業会社でも役立つでしょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、コンサルタントにとって必要不可欠なスキルです。
コンサルタントはクライアントやプロジェクトメンバー、専門家など、さまざまな人と関わる機会があります。そのため、コンサルタント経験を積むことで、高度なコミュニケーションスキルを身につけることが可能です。
コミュニケーションスキルはどの業界、職種でも活かすことができます。
コンサルタントに求められるスキルについては、以下の記事を参考にしてください。

コンサルタントが事業会社への転職を成功させるポイント
ここでは、コンサルタントが事業会社への転職を成功させるポイントを紹介します。
志望業界に関連する資格を取得する
転職を考えている業界で専門知識が求められる場合、資格取得も検討しましょう。資格があれば、客観的に自分のスキルや知識をアピールできます。以下で、事業会社への転職で役立つ資格例を確認していきましょう。
MBA
MBA(Master of Business Administration:経営修士学)とは、ビジネススクール・大学院で修士課程を修了した人に与えられる学位です(資格ではありません)。
経営戦略やマーケティング、財務分析、データ分析などビジネスに関する幅広い知識が身につけられるため、他部署との連携が多い事業会社でも役立ちます。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業支援法に基づいた国家資格です。中小企業の経営課題の診断、およびアドバイスを行う専門家としてのスキルを証明できます。
同資格を取得することで経営課題を発見し、ソリューションへと結びつけるスキルを強化できるため、事業会社への転職時も評価されるでしょう。
TOEIC・TOEFL
TOEIC・TOEFLは、英語力を証明するための資格です。グローバル化が加速している現在、グローバル企業と連携したり、英語でクライアントとやり取りする場面は多く存在します。
TOEIC・TOEFLのスコアが高かったり、英語を使った業務経験があったりすると、事業会社への転職時もポテンシャルが評価されやすくなります。
志望業界について理解を深める
スキルアップだけでなく、志望業界についての知識を身につけることも重要です。
例えば、業界の動向や課題、競合の状況などの知識です。最新ニュースを見ておく、業界誌を読み込むなどして、業界知識をインプットしておきましょう。
面接時も業界に対する理解がどれくらいあるかがチェックされることがあります。ただ、情報収集をする機会が多いコンサルタントにとっては、業界研究はあまり苦にならないかもしれません。
企業研究する
業界研究と並行して、企業研究もしっかりとしておきましょう。
転職先についての知識が乏しいと「転職意欲がないのでは?」「情報収集力が低いのでは?」と思われてしまいます。
例えば、企業のホームページを細部までチェックしたり、社内報や中長期計画、口コミサイトなどに目を通したりすると良いでしょう。
インタビューや社外向けイベントなどで会社の雰囲気に触れておくことをおすすめします。
選考対策する
転職したい企業が決まった後は、選考対策に力を入れましょう。
コンサルタントは確かに評価されやすい職種です。とはいえ、提出書類や面接対策で手を抜いてしまうと、不採用になってしまう可能性があります。
書類に関しては、基本的に職務経歴書と履歴書を用意しています。これまでどのようなプロジェクトに携わり、どのような結果を残したかをわかりやすく伝えられるように、数字や具体的な情報を取り入れることが大切です。
面接対策については、どうしてコンサルタントではなく事業会社なのか、その会社で何がしたいのかを明確に伝える必要があります。
今後のキャリアパスについて考える
事業会社に転職した後のキャリアについても考えておきましょう。
事業会社でのキャリアが必ずしも将来理想とするキャリアに役立つとは限りません。5年後10年後にどうなっていたいかをイメージし、逆算して必要なキャリアを考えてください。
なお、キャリアのイメージについては、事業会社の面接時にも質問されることがあります。しっかりと自分のキャリアプランについて説明できるように準備しておきましょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用して、転職活動を効率化させましょう。
転職エージェントでは数ある求人情報の中から、自分にあった求人情報を効率的に探すことができます。例えば、働き方や事業内容、必要なスキル、勤務地など、さまざまな条件に沿った求人を紹介してもらうことが可能です。
転職エージェントの中には求人紹介の他にも、面接練習や書類添削、転職相談などをサポートしてくれるところもあります。
コンサルネクスト.jpはコンサルタント経験者の転職支援を提供しています。非公開求人も多数抱えているので、ぜひお問い合わせください。
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事業会社への転職に関するFAQ
ここでは、事業会社への転職に関するFAQを紹介します。
コンサルタントから事業会社への転職が失敗するケースは?
全てのコンサルタントが事業会社への転職で成功しているわけではありません。中には「転職で後悔している」「コンサルタントを続けておけばよかった」という声もあります。
事業会社への転職が失敗する理由としては、以下が挙げられるでしょう。
- 年収が大幅にダウンしてしまった
- 異動や転勤の可能性がある
- 業界の専門知識やノウハウが求められる
- 会社の方針や働き方が合わない
- 成長スピードが遅い
- 評価されない
高度なスキルが求められるコンサルティング業界では、プロフェッショナルとしての成長スピードが早いです。
一方、事業会社の中には個人の成長よりも、会社の成長に重きを置いているところも多く、成長できる環境がないと感じている元コンサルタントも存在します。
コンサルタントの事業会社への転職理由とは?
事業会社へ転職をするコンサルタントは、さまざまな理由で事業会社というキャリアを選択しています。以下で、代表的な転職理由をまとめました。
- 主体者として戦略を実行したい
- 中長期的な視点で事業に取り組みたい
- ワークライフバランスを充実させたい
- 経営に直接関われるポジションに就きたい
- コンサルティング業界以外の経験も積みたい
転職理由は選考時に必ずと言っていいほど聞かれる質問なので、転職を決めた理由をわかりやすく説明できるようにしておきましょう。
コンサルタントが事業会社に転職すべき年齢とは?
コンサルタントから事業会社への転職に年齢制限はありません。
コンサルタントとしての経験は他の業界でも評価されやすく、年齢問わず転職では有利に働くことが多いです。
ただし、今までの業務と全く関連性のない職種に挑戦したい場合や、経歴が直接活かされない業界に興味がある場合は、第二新卒での転職が有利でしょう。経歴のみならず、ポテンシャルで採用しているためです。
ITコンサルタントは事業会社への転職で有利?
IT関連の部署がある事業会社や、デジタル化を強化している事業会社であれば、ITコンサルタントとしての経験は評価されるでしょう。
具体的には、経営課題などのリサーチをはじめ、事業戦略の提案、社内システムの運用などの業務で経験を活かすことができます。
加えて語学力が高かったり、プログラミングスキルがあったりすると、事業会社での活躍の幅が広がり、転職もより有利になるでしょう。
ITコンサルタントの仕事内容については、以下の記事を参考にしてください。

事業会社からコンサルタントへの転職は可能?
コンサルタントから事業会社への転職が可能なように、事業会社からコンサルタントへの転職も可能です。プロジェクトによっては、事業会社で培った視点やスキルを活かせる場面があります。
例えば、事業会社出身者は顧客の視点を持っており、本質的なニーズに寄り添った提案ができます。また、実担当としての経験があるため、クライアントからの信頼を得やすいです。
しかし、コンサルタント特有のフレームワークやツールに慣れる必要があり、苦労する場面も少なくありません。
事業会社からコンサルタントを目指すデメリットも理解した上で、転職することをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、コンサルタントから事業会社への転職を検討している方に向けて、事業会社に転職するメリットやデメリット、活かせるスキル、転職を成功させるためのポイントなどについて解説しました。
コンサルタントから事業会社に転職する人は一定数存在します。転職で後悔しないためには、年収がダウンする可能性がある、成長のスピードが遅いなどのデメリットも理解することが大切です。
コンサルネクスト.jpは、コンサルタントの転職に関するお悩み相談を受け付けています。ご自身の経歴を活かしたキャリアプランをご提案可能なので、ぜひ一度お問い合わせください。