湘南ベルマーレフットサルクラブの地域貢献策を提案!実践型の人材育成プログラムで社員が成長する理由とは
人口減少が進む日本において、企業の成長に欠かせない人材育成。中でも重視されているのが、幹部やリーダーの育成でしょう。しかしリーダーに求められるスキルが多様化する今、従来の社内研修だけでは人材育成が難しくなってきています。
そこで注目されているのが「実践型リスキリング」です。これはシミュレーションではなく、実際の企業へ課題解決策を企画・提案するという人材育成プログラムです。
2024年12月に、みらいワークスと湘南ベルマーレフットサルクラブ社が共同運営する、越境体験プログラム『B-SPARK』が行われました。NTTコミュニケーションズ社とパナソニック コネクト社の皆さまが参加され、「これまでの研修とは全く違う効果があった」という声がありました。
湘南ベルマーレフットサルクラブの一員になったつもりで企画・提案
今回のプログラムの舞台は神奈川県小田原市。この地を拠点にプロフットサルチームを運営する湘南ベルマーレフットサルクラブにご協力いただきました。ローカルゼブラ企業(※)を目指す湘南ベルマーレフットサルクラブでは、地域の課題解決や活性化に取り組んでいます。そこで今回は参加者が湘南ベルマーレフットサルクラブの一員になったつもりで、新たな地域創生プロジェクトを企画・提案するというプログラムです。
※ローカルゼブラとは、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業のことで、ユニコーンに対比させ、白黒で群れをなすシマウマにちなんで「ゼブラ」と名付けられている。
今回はNTTコミュニケーションズ社とパナソニック コネクト社から、40代・50代の8名の方が参加。IT企業に勤める方々が全く分野の異なるスポーツ企業の課題解決策を考えるという点が、このプログラムの大きなポイントです。
2日間のプログラムでは、湘南ベルマーレフットサルクラブからのヒアリングを行った後、参加者が3チームに分かれて企画を立案。最後はチームごとにプレゼンテーションが行われました。
一般的な研修ではここで終了ですが、本プログラムはで各チームの提案内容を湘南ベルマーレフットサルクラブが実際に検討。採択された企画案は実際にプロジェクト化に進めることができます。つまり採択プランを考案した参加者は、その後も副業などの立場でプロジェクトに参加できるというわけです。
「地域の関係人口を増やす」をテーマにプロジェクトを企画・提案
今回は3チームの中から、1チームのプランが実際に湘南ベルマーレフットサルクラブに採択されました。このプランを考案したのは、NTTコミュニケーションズ社の北川公士さんとパナソニック コネクト社の吉田秀郎さんが組んだチームです。
2人が提案した企画テーマは「湘南ベルマーレフットサルクラブが地域関係人口を増加させるには」というもの。そこで採択プランではいきなり住民と触れ合うのではなく、まずステップ1で「企業」のつながりを進めていきます。例えば「プロフットサルリーグの試合会場でAIロボットの実証実験を行う」というように、企業と連携したイベントを実施。なお、このステップではチームメンバーの北川さんが所属するNTTコミュニケーションズのネットワークを駆使して、より多くの企業と提携するといった内容も提案に盛り込まれました。
次のステップ2では、地域住民とのつながり強化を狙います。技術やスキルを持つ地元のシニア層が講師となるワークショップを実施して、関係人口を増やしていくという内容。ステップに分けて取り組むことで関係人口を自然に増やせるメリットがあり、さらに企業とのつながりを強化することで収益の向上も期待できます。
採択されたプランは、その後本格的にプロジェクト化される予定
「どのチームもすごく緊張感を持って実践的な提案をしていただき、とても感動しました。」と語るのは、湘南ベルマーレフットサルクラブの代表取締役社長を務める佐藤伸也さんです。今回北川さんと吉田さんのプランを採択した理由について、お聞きしました。
「まずステップ1にあった企業との実証実験を実現してみたいと感じました。実は私たちも企業との実証実験を行った実績はありますが、今回提案していただいたお二人のネットワークやスキルを生かしていただければ、もう2段階くらいブラッシュアップできると思います。」(佐藤さん)
一方で、別の視点からのフィードバックもありました。「ステップ2の内容については、具体的な進め方や収益について、もう少し検討する必要があると感じています。企画の具現化に向けて、ぜひこれから議論していきたいですね。」(佐藤さん)
実行を見据えたプロジェクトを立てるからこそ、高い効果が出る
採択されたプランを考案した北川さんと吉田さんは、従来の研修とは異なる効果を感じたそうです。
普段はNTTコミュニケーションズ社で生成AIビジネスに携わっているという北川さんは、特に役割分担ができたと語ります。「プレゼン資料の作成は私が担当しました。一方いろいろなアイデアがある中でどう取捨選択するかというところは、吉田さんがうまかったと思います。社外の方とチームを組むことで、自分の強みやプロジェクトでの立ち位置にあらためて気づくことができました。」(北川さん)
一方パナソニック コネクト社でPCパーツの出荷管理などを担当する吉田さんは、2日間という期間も学びにつながったと語ります。「限られた期間で実行手段までまとめる必要がありました。そういう意味では、短期間でアウトプットを出すというところも勉強になったと思います。」(吉田さん)
またお二人とも、実行を見据えたプロジェクトを立てるところが大きなポイントだったと語ります。
「研修で考えたものが実際にプロジェクト化されるというのは、すごく画期的だと思います。当事者の立場になることでより踏み込んだ内容を考えることができて、すごくいい経験になりました。」(北川さん)
「実行を見据えた企画をゼロから社外の方と一緒に考えるという経験は、初めてでした。知識やノウハウを学ぶ研修はこれまで何度も受けましたが、それらとは全く違いますね。プロジェクトの立ち上げ方はおそらく他のテーマでも同じだと思いますので、ここで得たものは今後の仕事にすぐ生かせる気がします。」(吉田さん)
さらに、キャリアを考えるきっかけになったというお話もいただきました。「もともと地方創生というテーマに関心があって、今回参加しました。実際に湘南ベルマーレフットサルクラブさんのお話を聞いたり提案したりすることで、私も副業などの形で地方創生に関われるんじゃないかと思えるようになりました。」(北川さん)
社員の強みが社外で通じるかを試せる機会。人事も実践的リスキリングへの期待は大きい
参加者だけではなく、人事部門からも実践型リスキリングの効果を実感しているという声があがっています。今回参加企業のひとつであるNTTコミュニケーションズ社の人材・組織開発部門担当部長である川端敬子さんは、実践型リスキリングには社内研修では得られないメリットがあると語ります。
「社員が持つ強みや専門性が社外でどのくらい通じるかを試す、絶好の機会だと思います。また社外に出ることで、業務やキャリアに対して新たな考え方が生まれるという効果も期待できます。これまでも社員に同様のプログラムに参加してもらっていますが、社員のパフォーマンスが向上していることがデータ上でも明らかになっています。」(川端さん)
まとめ
今回の実践的リスキリングプログラムでは、社外のメンバーとチームを組み、湘南ベルマーレフットサルクラブの課題解決に向けた企画提案を行いました。こうしたプログラムは、事業の企画力や発想力を磨けるだけではなく、社外メンバーと組んでプロジェクトを進める力を養う機会でもあります。つまり企業の中核を担うリーダーに、今後求められる考え方や技術を磨ける場とも言えるでしょう。
また働き方が多様化する今、企業で働く人材が副業などの立場で他企業のプロジェクトに関わるケースも増えています。今回のような実践型リスキリングによって他の企業と関わる機会が増えれば、社員の新たな働き方を推進する効果も期待できます。