日本生産性本部は2026年2月4日、「上場企業の人的資本経営の浸透・従業員認知に関する調査(速報版)」の結果を発表しました。国内の上場企業に勤める1097人に、人的資本経営が働き方や意識にどう影響しているのかなどを聞きました。
人的資本経営の理解度を聞いた結果が図1です。
経営理念や行動指針を理解しているかを聞いたところ、「あてはまる」(16.5%)と「ややあてはまる」(37.8%)を合わせた割合は54.3%でした。半数以上の人が自社の経営理念や行動指針を理解していることが分かります。
一方、経営理念や行動指針を新入社員に説明できるかを聞いたところ、「あてはまる」(11.8%)と「ややあてはまる」(28.4%)を合わせた割合は40.2%にとどまります。経営理念や行動指針を社外の人に説明できるかを聞いたところ、「あてはまる」(11.8%)と「ややあてはまる」(27.7%)を合わせた割合は39.5%にとどまります。経営理念や行動指針を言葉で説明できる人は4割程度であることがうかがえます。
なお、年齢別の理解度は、55~64歳が相対的に高くなっています。業種別では電気・ガス業、建設業が相対的に高く、運輸業で低くなっています。
経営理念の浸透度と働き方の相関関係を調べた結果が図2です。浸透度がワークエンゲージメントや心理的安全性、生産性にどう影響するのかを調べています。
経営理念の浸透度とワークエンゲージメント、心理的安全性、生産性には相関関係があり、浸透しているとこれらを肯定的に捉える傾向が高くなることが分かります。従業員に経営理念を理解、浸透させると、職場環境や働きがいに良い影響をもたらすことが読み取れます。
とりわけワークエンゲージメントに限ると、「肯定的回答」の割合は「否定的回答」の割合より約1.5倍高くなっています。経営理念の理解度が深まるほど、従業員が仕事をポジティブに受け止めるようになると推察されます。
【調査概要】
調査対象:25~64歳の国内上場企業に勤務する人
回答者数:1097人
調査期間:2025年10月21日~10月24日
【関連リンク】
公益財団法人日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/