ベネッセコーポレーションは2024年11月28日、「ミドル・シニア層の学びに関するインサイト調査」の結果を発表しました。45~59歳のミドル層、60~69歳のシニア層に学びやキャリアについて聞いています。
働き方やキャリアの見直しを検討しているかどうかを聞いた結果が図1です。

「見直しは検討していない」と答えた割合が58.7%で、半数以上を占めました。「検討はしているが、見直しは行っていない」(27.3%)を合わせると、約8割のミドル・シニア層がキャリアの見直しに消極的で、学ぼうという意欲も失われつつあることが推察されます。「見直しを行っている」は14.0%にとどまります。
人生やライフプランの見直しを検討しているかどうかも聞いています(図2)。

「見直しは検討していない」と答えた割合は46.4%でした。働き方やキャリアの見直し同様、半数近くが人生やライフプランについても見直しを検討していないことが分かります。一方、39.1%が「検討はしているが、見直しは行っていない」と回答しています。人生やライフプランを見直したいものの、具体的に何をすべきか分からない人が一定数いると推察されます。
では、どんな学びやスキルに魅力を感じるのか、さらにはキャリアアップの意欲を持っているのか。主要な項目の魅力度と未充足度を聞いた結果が図3と図4です。図3は男性年代別、図4は女性年代別の結果です。魅力度や未充足度からどんな学びを望んでいるのか、何に関心を寄せているのかを探っています。


「好きなことで世に役立つ」「埋蔵スキルをアップデート」「大切なものを見直して人生のルート探索をしたい」などの魅力度は、すべての年代で男性より女性が上回っています。これらの結果からリクルートは、男性より女性の方が学びに対する意欲が総じて高いと推察します。もっとも女性の場合、「楽々最新スキルで可能性拡張」の魅力度は年代が上がるにつれて低くなっています。その一方で「個人裁量で社会とつながる」は、すべての年代で5割以上が魅力を感じています。リクルートは、スキル習得への意欲は年齢とともに低下し、代わって社会とのつながりを求めるようになると考察します。
さらに同社は調査結果から、45~49歳男性のキャリアへの不安が強くなっていると推察します。ただし、50~59歳になるとその傾向は弱まり、人生の可能性を模索し、社会との新たな接点を求める傾向が強くなるといいます。
図3、図4で取り上げた各項目の魅力度や未充足度は、役職別ではどう変わるのか。役職別に聞いた結果が図5です。

調査結果から、役職が上がるにつれて学びへの魅力は総じて高くなることが分かりました。同様に未充足度も役職が上がるにつれて低くなっています。その一方で現場に近いミドル・シニアの一般社員に限ると、学びへの意欲が総じて低く、未充足度も高くなっています。これらの結果からリクルートは、係長・主任・リーダークラスや一般社員クラスの場合、個人裁量を重視しているため、自分の好きなことを深めるのが学びの第一歩になると指摘します。
【調査概要】
対象:45~74歳の男女306名(定性)/45~69歳の男女982名(定量)
期間:2024年8月20日~22日(定性)/2024年9月25日~27日(定量)
方法:インターネット調査(定性・定量)
【関連リンク】
株式会社ベネッセホールディングス
https://www.benesse.co.jp/
「ミドル・シニア層の学びに関するインサイト調査」詳細資料
https://ufb.benesse.co.jp/ebooks/2024middle-senior.html