持続可能な社会の実現やデジタル化の推進等、現代社会が直面する課題は多岐にわたります。総合コンサルタントは企業や組織と連携し、これらの課題解決に取り組む役割を担っています。
本記事では、総合コンサルの仕事内容や年収の目安、キャリアパス、転職活動を成功させるための具体的なポイントを詳しく解説します。新しいキャリアを築くための第一歩として、ぜひお役立てください。
総合コンサルとは?

総合コンサルとは、企業が直面する多様な経営課題に対し、戦略立案から業務改善、IT導入、組織改革等、幅広い領域に対応するコンサルタントです。特定の分野に特化せず、包括的な支援を提供する点が特徴として挙げられます。
総合コンサルが担うのは、多様な課題に対して一貫した支援を提供し、クライアントの持続的な成長と変革をサポートする役割です。専門知識に加え、柔軟な思考と高い適応力、そして常に最新の情報を取り入れながら課題解決に取り組む姿勢が求められます。
プロジェクトには多様な専門性を持つメンバーが集まるため、高いコミュニケーション能力とチームワークが必要です。国際的なプロジェクトでは、語学力や異文化理解も求められます。
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総合コンサルと戦略コンサルとの違い

総合コンサルと戦略コンサルは、企業の課題解決を支援する点では共通していますが、アプローチや業務範囲に明確な違いがあります。
戦略コンサルは、経営層と密接に連携し、経営戦略の立案や新規事業の構想といった企業の根幹に関わる課題に取り組み、上流工程での意思決定を支援します。プロジェクトは少人数で構成され、短期間で成果を求められるケースが多いです。
一方、総合コンサルは、戦略立案から業務改善、IT導入、具体的な組織改革等、企業の多様な課題に対応しています。経営層から現場の担当者まで幅広く連携し、提案の実行支援まで関与します。
これらの違いについて、さらに詳しく知りたい方は以下のコラムをご覧ください。
総合コンサルタントの仕事内容

総合コンサルの仕事は、プロジェクトごとに専門性を持つメンバーが連携し、クライアントの課題解決に取り組みます。
総合コンサルティングファームは組織が専門領域ごとに部門化されており、各部門が特定の分野に特化しています。これにより、プロジェクトの内容に応じて最適な専門家がアサインされ、質の高い支援を提供できます。
具体的な業務領域、業務内容については以下で紹介します。
経営戦略の策定
経営戦略の策定は、企業が持続的な成長と競争優位性を確保するために不可欠な取り組みです。総合コンサルは、クライアント企業のビジョンや目標を明確化したうえで、それを実現するための具体的な戦略を構築します。
まず、企業の内部資源や外部環境を評価します。これには、財務状況、市場動向、競合分析等が含まれます。
次に、企業のミッションやビジョンに基づいた長期的目標を設定し、それを達成するための戦略を策定します。戦略策定においては、新市場への進出、新製品の開発、業務プロセスの改善等、企業の強みを活かし、弱点を克服するためのアプローチが重要です。
また、戦略の実行可能性を高めるために、具体的な行動計画やKPI(重要業績評価指標)を設定します。
経営戦略には、定期的な見直しが必要です。市場環境や内部要因の変化に対応するため、戦略の柔軟性と適応性の確保が求められます。
総合コンサルはこれらのプロセスを通じて、企業が明確な方向性を持ち、持続的な成長を実現するための支援を提供します。
業務プロセスの改善
業務プロセスの改善は、企業が競争力を維持し、強化していくために欠かせない戦略的手段です。
総合コンサルはクライアントの業務全体を俯瞰し、効率性や生産性の向上、コスト削減を目指して、改善策の提案と実行支援を行います。企業は、総合コンサルの支援を通じて、変化する市場環境に柔軟に対応できます。
業務改善のアプローチのひとつとして、BPR(業務改革)があります。これは、既存の業務を根本から見直し、抜本的な改革を行う手法です。
BPRを実施するにあたり、現行の業務プロセスを詳細に分析し、課題や非効率な部分を特定します。そして、ITツールの導入や組織構造の見直し等により、業務の目的や目標を明確化し、最適なプロセスを設計します。
ITシステムの導入支援
総合コンサルは、クライアントの経営戦略や業務プロセスに応じ、最適なITソリューションの選定から導入、定着までを一貫して支援します。
これは単なる技術的な作業ではなく、経営戦略と密接に連携した、企業の業務効率化や競争力強化に不可欠な取り組みです。総合コンサルの専門知識と経験を活用し、企業は変化する市場環境に柔軟に対応し、持続的な成長を実現できます。
最初に行うのは、現行の業務フローやシステム構成の詳細な分析と、課題や改善点の明確化です。そのうえで、経営目標に合致したIT戦略を策定し、具体的なシステム要件を定義します。
次に、複数のITベンダーやソリューションの中から、クライアントのニーズと合致する製品を選定します。この際、総合コンサルは中立的な立場で評価を行い、費用対効果や導入後の運用性を考慮した提案を行います。
選定後は、導入計画の策定やプロジェクトマネジメントを通じて、スムーズなシステム導入を支援します。導入後も、新しいシステムを組織全体に浸透させるため、業務への定着やユーザー教育、運用支援等、継続的なサポートを提供します。
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総合コンサルファームの組織形態

総合コンサルファームの組織形態は、業界別(インダストリー)部門と機能別(ソリューション)部門の2軸からなるマトリクス型組織が一般的です。この構造により、各コンサルは特定の業界や機能に関する専門知識を活かし、クライアントの多様なニーズに対応します。
業界別部門は、自動車、金融、通信、エネルギー等、特定の業界に特化したチームで構成されています。
これらの部門では、業界特有の業務や商慣習についての知識を活かし、クライアントの責任者に対して専門的なアドバイスを提供します。業界に根差した深い洞察をもとに、業界特有の経営課題を把握して実行可能性の高いアドバイスを行える点が強みです。
一方、機能別部門は、戦略、組織・人事、システム導入等、特定の機能に関するスペシャリストが、クライアントの課題に応じた支援を提供します。特定の機能に関する高度な知見を活用し、業界を横断したアドバイスを提供できる点が強みです。
このようなマトリクス型の組織により、業界に特化した知見と機能領域の専門性を掛け合わせ、クライアントの複雑な課題に対し、実効性の高い支援を提供できるようになっています。
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総合コンサル業界の最新トレンド

総合コンサル業界では、社会やテクノロジーの急速な変化に対応するため、新たな取り組みが進められています。特に注目されているのは、以下の4つです。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)
- ESG(環境・社会・企業統治)への対応
- サステナビリティ経営の実現支援
- 生成AIの活用
特に、生成AIのビジネス活用支援は急成長分野です。クライアントの業務プロセスに生成AIをどう組み込むか、どのように新たな価値創出に活かすかが重要な課題となっています。
生成AIの導入によって、従来の労働集約的な作業の自動化が進む中、総合コンサルには技術と業務の両面に精通し、それらを橋渡しできるスキルセットが強く求められています。
一方で、生成AIの導入にはリスク管理やガバナンスの整備も求められており、総合コンサルは技術的な支援だけでなく、倫理的・法的な観点からのサポートも提供しています。これにより、クライアント企業は安全に生成AIを活用しながら競争力を強化できます。
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総合コンサルの年収とキャリアパス

総合コンサルにおけるキャリアパスは明確な階層構造に基づいており、役職が上がるごとに求められるスキルや責任範囲が拡大します。また、成果に応じた報酬体系が整備されており、自己成長と高収入の両立が可能です。
以下では、各役職の概要とキャリアパス、年収の目安について解説します。
アナリスト
コンサル業界でのキャリアの出発点であり、主にデータの収集や分析、資料作成業務を担当します。上位職への昇進を目指し、コンサルとしての基礎を磨く段階です。問題解決のための分析力や論理的思考力、高いコミュニケーション能力、進行管理のスキルが求められます。
年収の目安は500万~700万円です。
コンサルタント
コンサルタントは、クライアントとの折衝や課題解決の提案等、より実践的な業務を担います。基本的にはアナリストが昇格するポジションですが、業務経験のある中途採用者が就く場合もあります。プロジェクトの特定領域を担当し、専門知識と実行力が求められます。
年収の目安は700万〜900万円です。
シニアコンサルタント
チームリーダーとしてプロジェクトの中核を担い、チームの指導やクライアントへの提案を主導します。高度な専門知識やロジカルな提案力だけでなく、リーダーシップやチームビルディング力も求められ、クライアントとの信頼関係構築力も不可欠です。
年収の目安は900万~1,200万円です。
マネージャー
プロジェクト全体の管理やクライアントとの関係構築を担当し、案件獲得や新規ビジネスの開拓にも関与するポジションです。戦略的思考やチームマネジメント能力、経営層視点での判断力が求められます。
年収の目安は1,200万〜1,700万円です。
パートナー
経営層としてファーム全体の方針決定や収益管理をリードしながら、新規ビジネスの開拓や全体戦略の策定を行います。卓越したビジネスセンスやリーダーシップが求められ、個人のネットワークや顧客基盤を活かした成果が期待されます。人材育成や組織運営にも責任のある立場です。
年収の目安は2,000万円以上で、大手外資系の場合は3,000万~5,000万円に達するケースもあります。
代表的な総合コンサルファーム一覧

総合コンサルファームは、主に外資系と日系に分類できます。
外資系総合コンサルは、グローバルなネットワークと豊富なリソースを活かした、国際的なプロジェクトや多国籍企業への支援が得意です。
「BIG4」と呼ばれる4社は世界的な監査法人グループに属し、会計・税務・リスク管理等の専門知識を基盤に、幅広いコンサルティングを提供しています。
一方、日系総合コンサルは、日本企業の文化や商慣習への深い理解を背景に、国内市場を中心としたサービスを展開しています。クライアントとの長期的な関係構築を重視した、きめ細やかな対応や柔軟なサービス提供が強みです。
近年は、海外展開を進める日系企業への支援や、アジア市場への進出支援等、国際的なサービス提供をする企業も増加しています。
それぞれの総合コンサルファームにおける、具体的な特徴やサービス展開について、以下で紹介します。
【外資系】デロイトトーマツコンサルティング
「BIG4」の一角を占めるデロイトの日本法人として、1993年に現体制が発足しました。戦略立案からM&A、人事、リスク管理、IT導入支援まで幅広くサービスを提供しています。
近年では、「Deloitte Greenhouse」を活用した先進的なアプローチが注目されています。Deloitte Greenhouseとは、非日常の空間でクライアント企業とデロイトの専門家がチームを組み、集中的な議論を通じてブレイクスルーを目指すイノベーション創出施設です。組織内の対立や停滞を打破し、イノベーションを加速させる効果が期待できます。
グローバルネットワークを活かし、国内外のクライアントに対して高品質なサービスを展開しているファームです。人材育成にも注力しており、グローバル研修や専門スキルの開発機会が豊富に用意されています。
【外資系】PwCコンサルティング
「BIG4」の一角を占めるPwCの日本法人です。戦略、マネジメント、テクノロジーの3領域を軸に、クライアントの経営課題に対して総合的なコンサルサービスを提供しています。
「X-Value&Strategy」部門では、企業変革デザインや成長戦略策定、新規事業開発等、経営の上流から実行まで一貫した支援を行っています。また、グローバルネットワークを活用し、国内外の多様な業界に対して柔軟な対応力を持つ点も強みです。
【外資系】KPMGコンサルティング
「BIG4」に数えられるKPMGの、日本におけるメンバーファームです。経営戦略の策定から組織設計、業務プロセスの高度化、IT活用まで幅広いコンサルサービスを提供しています。
「攻めと守りの変革オーケストレーター」として、業界の先見性、デジタル技術、データを組み合わせた経営戦略の策定や、新たなビジネスモデル構築に強みを持ちます。
また、日本法人としての独立性が高いため日本国内での意思決定権が強く、日本市場やクライアントのニーズに対して迅速かつ柔軟に対応できる点も特徴です。
【外資系】EYストラテジー・アンド・コンサルティング
世界150カ国以上に展開するアーンスト・アンド・ヤング(EY)のメンバーファームで、「BIG4」に名を連ねるグローバルファームのひとつです。
戦略策定から実行支援までを一貫して提供し、「EYパルテノン」ブランドのもと、CEOの経営課題に対する実行可能な戦略立案に強みを持っています。
また、IBMとの協業により、生成AIを活用した業務自動化ソリューション「Work Agent One」を開発し、クライアントのDX推進を支援しています。
【外資系】アクセンチュア
多国籍に事業を展開する総合コンサルファームです。日本においても「ストラテジー&コンサルティング」「テクノロジー」「オペレーションズ」「インダストリーX」「ソング」の5つの領域で多様なサービスを提供しています。
クライアント、社員、株主、社会等すべてのステークホルダーに価値を届ける「360度バリュー」の実現を目指し、変革を推進しているファームです。AI倫理やサステナビリティへの取り組みにも注力し、社会課題の解決とビジネス成果の両立を図っています。
【外資系】日本IBM
AIとハイブリッドクラウドを中核とし、企業のデジタル変革を支援しているテクノロジー企業です。例えばAIプラットフォーム「IBM watsonx」を活用した業務自動化や、共創施設「IBM Innovation Studio」での顧客との協働によるイノベーション創出に注力しています。
また、2030年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを目指しており、社会的責任を果たす活動に積極的に取り組んでいるのも特徴です。
【日系】野村総合研究所(NRI)
1965年に日本初の民間総合シンクタンクとして設立され、現在ではコンサルとITソリューションを融合した独自のビジネスモデルを展開しています。
経営課題の抽出・戦略立案から、システムの設計・開発・運用までを一貫して提供しており、構想から実装・運用までをワンストップで支援できるのが強みです。
長期経営ビジョン「NRI Group Vision 2030」のもと、経営とテクノロジーの融合を通じて、デジタル社会資本の構築と持続可能な未来社会の実現を目指しています。
【日系】三菱総合研究所(MRI)
1970年に三菱創業100周年記念事業として設立された総合シンクタンクです。研究・提言から社会実装までを一貫して手がけるアプローチを特徴とし、ヘルスケア、環境・エネルギー、防災・安全、情報通信等の多岐にわたる分野で専門性を発揮しています。
また、ITを強みとするグループ企業との連携により、DXやクラウド活用、公共分野における地域づくりといった、社会課題の解決に向けた総合的なサービスを提供しています。
【日系】NTTデータ経営研究所
1991年に設立されたコンサルファームです。「Social and Business Design Cycle」をビジネスコンセプトとし、社会政策に関する提言と企業の事業開発支援の両面から課題解決に取り組んでいます。
また、業種や専門分野の枠を超えた協働体制の構築が強みのひとつです。官民連携の共同プロジェクト運営や生活者起点での課題解決を通じて、クライアントの価値を創出しています。
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総合コンサルタントの魅力・やりがい

総合コンサルとしてのキャリアを積み、多様な業界や課題に対応する中で、専門知識の習得や経営視点の深化、大規模プロジェクトへの参画等、さまざまな魅力とやりがいを実感できます。以下に、具体的な側面を詳述します。
幅広い業界知識の獲得
製造業、金融、医療、公共部門等、多岐にわたる業界のクライアントと関わる機会があるため、各業界特有の課題やビジネスモデルを把握でき、業界ごとの深い知識も得られます。
汎用性の高い知見は、コンサルとしての専門性を高めるだけでなく、将来的なキャリアの幅を広げる基盤となります。
経営視点の習得
企業の経営層と直接対話し、戦略立案や組織改革の重要な意思決定に関与するプロセスを通じて、経営全体を俯瞰する視点や、ビジネスの本質を捉える力が養われます。
また、複雑な課題に対して論理的かつ戦略的にアプローチする能力が求められるため、問題解決力や意思決定力、リーダーシップの向上にもつながります。
大規模プロジェクトへの貢献
総合コンサルとしてのキャリアでは、企業の変革や新規事業の立ち上げ、グローバル展開の支援といった、大規模で影響力のあるプロジェクトに携わる機会が豊富にあります。
企業の将来を左右する重要な局面での意思決定に関与し、プロフェッショナルとしての責任が求められる場面も少なくありません。その中で、自身の提案や施策が実際に成果を生み出す瞬間に立ち会った際には、大きな達成感を味わえます。
多様な人材との協働
プロジェクトチームには、ITシステムの導入や開発を担当するエンジニア、業務プロセスの改善を専門とするアナリスト、人材マネジメントに精通したスペシャリスト等、さまざまな専門家が集結します。
また、クライアント企業の担当者や、外部のベンダー企業のスタッフと連携する場面も多く見られます。国際的なプロジェクトでは、海外のメンバーと協働する機会もあるでしょう。
多様な人材との協働は柔軟な思考や適応力を養い、コンサルとしての総合的なスキルを高めます。
社会課題解決への直接的な関与
業務効率化やコスト削減にとどまらず、デジタル技術を活用した新たな価値創造や環境配慮型ビジネスの推進といった、社会課題の解決に直接関与する機会が豊富にあります。
例えば再生可能エネルギーの導入支援や、サーキュラーエコノミーの実現を目指すプロジェクトが挙げられます。
社会変革の一翼を担っている実感を得やすく、仕事に対する誇りを感じられる場面が多くあります。
総合コンサルへの転職を成功させるポイント

総合コンサルへの転職に求められるスキルや適性は多岐にわたり、事前の準備が不可欠です。以下では、転職を成功させるための具体的なポイントを解説します。
必要なスキルや知識を習得し、自身の強みや志向を明確にした上で、理想のキャリアパスを実現しましょう。
どんなコンサルタントになりたいかを考える
転職活動を始める前に、自身が目指すコンサル像を明確にする必要があります。総合コンサルには、IT戦略やDX推進に強みを持つコンサル、経営トップと対話しながら企業変革をリードするストラテジスト、組織開発の専門家といった多様なキャリアパスがあります。
漠然と「コンサルになりたい」という想いだけでは、企業に説得力を持って伝えられません。自分の経験や強みを振り返り、専門性を深めたい領域や、提供したい価値等のビジョンと結びつけましょう。
その上で、志望動機やキャリアプランに一貫性を持たせると、面接でも説得力のある自己PRができます。
ロジカルシンキングとフレームワークを習得する
コンサル業務では、複雑な課題を構造化し、論理的に解決策を導く能力が求められます。その基礎となるのが、ロジカルシンキングや各種のフレームワークです。
例えばMECEやピラミッドストラクチャー、3C分析、SWOT分析といったフレームワークの活用で情報を整理し、クライアントの問題解決を的確かつ効率的に行えます。
これらのスキルと知識は、書籍やオンライン講座を通じて学習するほか、ケース面接対策のような実践的なトレーニングを通じて習得可能です。
ケース面接の対策を入念に行う
総合コンサルの選考では、与えられたビジネス課題に対して、論理的な思考力や問題解決能力を評価するためのケース面接が重要な位置を占めます。
特に重視されるのは、最終的な答えではなく、そこに至るまでの思考プロセスと説明力です。問題の構造をどう捉えたか、どのように切り口を設定し、どの順番で検討を進めたかといった、思考の組み立て方自体が評価されます。
対策としては、フェルミ推定やビジネスケースのようなさまざまな形式の問題に対応できるよう、過去の事例を研究しましょう。想定質問に対して繰り返しトレーニングを行い、論点の整理から仮説構築、定量的な裏付け、結論提示までの一連のプロセスを言語化する練習が効果的です。
一人でのトレーニングに加え、第三者との模擬面接も有効です。
業界リサーチを徹底する
ファームによって業務内容やプロジェクトの進め方、企業文化、求める人材像には大きな違いがあります。そのため、志望ファームごとの特性を深く理解し、自身とのマッチ度を見極めましょう。
ファームの公式サイトや業界専門誌、ニュース記事に加え、実際に現場で働いている人から得られる1次情報が、判断材料として大きな価値を持ちます。
業界で働く知人から話を聞く、キャリアイベントや転職エージェントを活用して情報を得るといった方法で、各社のリアルな業務環境や期待される役割への理解が深まります。
こうした情報をもとに、業界の最新動向や競合他社との違いを把握し、具体的で説得力のある志望動機や自己PRを作成しましょう。
ビジネス英語力を強化する
グローバルなプロジェクトや海外クライアントとのやり取りが増加する中、ビジネス英語力の必要性は高まっています。
特に外資系コンサルファームでは、英語でのコミュニケーションが日常的に求められます。
英語でのプレゼンテーションやディスカッションの練習を通じ、実践的なスキルを習得しましょう。プロジェクトの幅や昇格チャンスを広げられます。
資格を取得したり専門知識を深めたりする
プロジェクトマネジメントや経営戦略に関する資格は、業務の幅を広げ、クライアントからの信頼を得るために有効です。例として、国際資格であるPMP(Project Management Professional)や、経営コンサルとしての専門性を証明する中小企業診断士が挙げられます。
また、特定の分野における専門知識の保有を裏付ける資格を取得するのも効果的です。例えばIT分野に強いコンサルを目指す場合、ITストラテジストやITコーディネータといった資格が役立ちます。
コンサル業界に特化した転職エージェントを利用する
自分で求人を探して応募するのではなく、エージェントを利用して転職活動を進めましょう。コンサルタントへの転職を目指すなら、コンサル業界に特化した転職エージェントが特におすすめです。
例えば「コンサルネクスト.jp」では、コンサル業界を熟知した担当者が、履歴書・職務経歴書の添削や、模擬面接を実施してくれます。自身の希望に合う求人を紹介してくれるため、求人を自ら探す時間を削減できるのも魅力です。
「コンサルネクスト.jp」では、無料で転職相談を承っています。コンサルタントへの転職に関して疑問や悩みがある方は、ぜひ登録してみてください。
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まとめ
多様な業界や機能に対応する柔軟性と、実務レベルでの成果創出に貢献できる点が、総合コンサルとほかのコンサル業種の大きな違いです。
戦略立案から実行支援までの全プロセスに関与し、業界や機能を横断する多様なプロジェクトに携わりながら、クライアントと共に課題解決に取り組むパートナーとして価値を提供できます。
総合コンサルへの転職は単なる職種の変更ではなく、自己成長と市場価値の向上を実現するための絶好の機会です。特にロジカルな思考力と高い問題解決能力を持ち、コミュニケーション能力と対話力を兼ね備えた方にとって、総合コンサルは魅力的なキャリアパスの選択肢です。