ニューラルグループ株式会社
グループアライアンス事業本部 人事ソリューショングループ グループ長
金尾 りんな 氏
2002年にソニー株式会社入社後、スマートフォンのソフトウエア開発・AI開発マネジメントに携わる。
2024年秋から、ニューラルグループ株式会社に出向し、グループアライアンス事業本部人事ソリューショングループ長として、両社のエンジニアと1on1の支援サービス「KizunaNavi」を立ち上げる。
ニューラルグループ株式会社
「AIで心躍る未来を」をミッションに、AI技術をはじめとする最先端テクノロジーを開発し、幅広い領域で、枠にとらわれない心躍るサービスを提供しています。
https://www.neural-group.com
KizunaNavi
最先端のAI解析技術を用いて1on1ミーティングの質向上と現場マネージャーの部下育成スキル強化を支援するサービスです。ニューラルグループの映像解析技術とソニーの技術を合わせた、これまでにない “新しいAI 1on1支援サービス” です。
https://lp.kizunanavi.net/
企業が成長を続けるうえで必要不可欠となる新規事業。ビジネス環境の変化が激しい時代において、新たな事業を創出し、軌道に乗せるために必要な条件は何か、どのようなアイデアをカタチにして、どのような体制で事業化していったのかを深堀する本企画。今回は、ソニー株式会社(以下、「ソニー」)から、ニューラルグループ株式会社(以下、「ニューラルグループ」)に社名出向し、新規事業「KizunaNavi」を手掛ける金尾りんな氏に話をうかがいました。
ベンチャーへの出向を“チャンス”と捉えた

ニューラルグループは、ソニーが出資する企業のひとつです。協業案件の一つとして、私が手掛けている「KizunaNavi」があります。この「KizunaNavi」は、AI技術を活用し、1on1ミーティングの質を向上させる実践支援サービスです。現在、日本の企業の約6割が1on1を実施していますが、「うまくできていない」という声が多くあります。そこで離職率を下げたり、エンゲージメントを高める仕組みを実現するのがこのサービスです。
「KizunaNavi」は、上司と部下の会話内容をAIで検知して、終了後にフィードバックを送信します。本来1on1は、部下のための時間であり、上司が部下の成長を支援して、その過程を経て組織も成長するためのものです。ところが上司が話しすぎたり、ハラスメントにつながったり、部下の話を聞かずにティーチングになってしまい、気がついたら上司がお説教をするだけになってしまっている、という声をたくさんいただきます。「KizunaNavi」は、客観性を担保しながら1on1の内容を可視化し、フィードバックできるという点が強みのSaaSシステムです。
もともと私はソニーで、エレクトロニクスとAIを絡めた新規事業を手掛けていましたが、ソニーがニューラルグループへ出資をしていたので、「一緒に事業をやってみたい」と手をあげました。
ニューラルグループのメンバーは非常に優秀で、私にはない視点や商品化に対するノウハウを持っていたので、一緒に組んで事業を進めていくことは、面白そうだと感じました。ニューラルグループは端末自体でAI処理を行うエッジAI/エッジコンピューティング技術を早期から手がけています。モデル軽量化・低消費電力・低通信量での実装が可能でかつ、駐車場の満空把握、人流・動線解析など、社会実装をいくつもリリースしていますので、顧客の視点に立ったアジャイルな開発推進に適していると思いました。
ソニーとニューラルグループが業務提携契約を締結。私は事業開発者という立場で現在、グループアライアンス事業本部の人事ソリューショングループを統括しています。
ニューラルグループは、IPOやM&Aを行い、いくつもAIサービスをリリースしている会社なので、ビジネスの進め方や営業のノウハウなど、私自身、非常に学ぶことが多いと感じています。
意思決定が速い組織ほどマーケットフィットしやすい

ニューラルグループは、判断と決行の意思決定が早いので、非常に良いと思っています。意思決定が速い組織は、マーケットフィットしやすいと思います。「売れるためにはこうした方がいい」「これだったらお客さんが買う」などダイレクトに変更ができます。
AI領域は移り変わりが激しく、常に世の中のニーズも変わっていきます。そこにうまく追従できるのは、やはりベンチャーの強みだと思います。
ここではすべてが自分事になる

企業や事業を起こすことに対しての意識が、やはり変わったと思います。売ることに対して大きな責任を感じ、自分事として捉えるようになりました。元々私はエンジニアですので、エンジニア目線では、仮説を作り、ひたすら検証とモノづくりを繰り返していました。それが正しくても、結局は世の中で売れないと意味がありませんので、売れるまでに考えなければいけないことがあります。そういった視点を、私は今までは持っていませんでした。ニューラルグループもこれから更に成長していく会社ですので、一緒に正解を作っていかなければと思っています。
おかげさまで、今、「KizunaNavi」を利用してくださるお客さまが増えています。世の中に1on1ツールは数多く存在しますが、改善を促進するサジェスチョンを提供するツールはあまりありません。しっかりフィードバックがあるものと好評いただいています。現在、お客さまの声をお聞きしながら、さらに使い勝手の良いものへと随時アップデートさせている段階です。
最近では、1年前よりも開発の速度が速まっていると自覚しています。実際に、パートナー企業からも「開発スピードがめちゃめちゃ速いですね」とのお言葉をいただいております。もちろんマーケットフィットが重要ですが、世の中のAIの進化がそれ以上に速く、しっかりキャッチアップしながらマッチするものを提供しているつもりです。今後も新機能を追加していく予定です。1on1のフィードバックとして必要な情報を、心理的安全性を担保しながら提供し、皆さまの期待に応えていきたいと思っています。
少人数のチームで商品のPDCAをスピーディーに回せる点が魅力だと思います。お客さまからの反応や、売上の推移などに直接影響を与えるためやりがいも大きいです。また、市場とダイレクトにつながっているので、改善点を素早く修正し、すぐに効果検証ができます。私自身、事業運営に重要な営業面、資金面などの知識・経験が薄く、周囲の皆さんに助けてもらっていますので、そこを改善して、よりビジネスとして成立できるようにしていきたいと思っています。


