住友ゴム工業は2025年8月8日、研究拠点「住友ゴム イノベーションベース・札幌」の開設を発表しました。北海道大学にある「D-RED」と呼ぶ研究・共創拠点内に構え、北海道大学と協働で技術検証などを進めます。
「住友ゴム イノベーションベース・札幌」は、異分野を組み合わせたイノベーション創出を目指すための研究拠点。具体的には、自律的に判断・動作するフィジカルAIなどの先端技術の検証や実装、実用化と、未来のモビリティ社会に向けた価値創出に取り組みます。なお同拠点は、2023年に宮城県仙台市に開設した「住友ゴム イノベーションベース・仙台」に続く2拠点目となります。

北海道大学の研究・共創拠点「D-RED」内に開設しているのが特徴です。「D-RED(Data‑Driven Interdisciplinary Research Emergence Department)」は2022年7月に北海道大学の札幌キャンパス内に設立した共創型の研究拠点。データと異分野融合による共同研究ユニットの組成や、産学官連携による社会実装、スタートアップ支援などを通じて、地域課題の解決に取り組みます。さらに大学のデータを駆使した研究体制強化も同拠点が主導します。今回の住友ゴム工業との連携を通じ、安全かつ持続可能なモビリティ社会実現に向けた実証と社会実装にも取り組むことになります。住友ゴム工業の研究者にとっては、北海道大学の研究者や学生の新たな視点や発想を得られるのが利点です。北海道大学の研究者や学生にとっては、企業のリアルな研究テーマに携われる機会を得られます。
住友ゴム工業は今後、企業や自治体、研究機関などのパートナーとオープンイノベーションを推進していく考えでです。多様なパートナーとともに技術革新を促進し、競争力の強化や新たな価値創出を図っていきます。なお同社は、「R.I.S.E. 2035」と呼ぶ長期経営戦略を掲げ、戦略達成に向けて「ゴム起点のイノベーション創出」を推進しています。具体的には、外部との連携や人材の育成・強化によって同社のゴム可視化技術を向上させ、新たな体験価値を生み出す高機能ゴムの開発に取り組んでいます。この開発を実現する重要技術の1つとしてフィジカルAIを位置付け、今回の共創を機にフィジカルAIの実用化を加速させる考えです。
【関連リンク】
住友ゴム工業株式会社
https://www.srigroup.co.jp/
長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」
https://www.srigroup.co.jp/ir/library/financial-report/dvql4p00000qekq7-att/2035longterm_20250307.pdf


