従業員エンゲージメント関連サービスの2025年の市場規模は前年比120.4%の134億400万円、中堅・中小企業も本格導入する動きが加速/矢野経調べ

矢野経済研究所は2025年10月28日、従業員エンゲージメント市場に関する調査結果を発表しました。従業員エンゲージメントを調べる診断サービスや測定サービスなどの市場規模の推移を公開しました。
従業員エンゲージメントに関連するサービスの市場規模(事業者の売上ベース)の推移(予測を含む)を示したのが図1です。なお、ここでは従業員エンゲージメント診断・サーベイツールやサービス、心理的安全性やウェルビーイングサーベイツールやサービス、コンディションサーベイ、1on1運用支援ツールやサービス、タレントマネジメントシステム、社内SNS、人事評価システム、データ分析ツールなどをサービスの対象としています。
図1:従業員エンゲージメント診断・サーベイクラウド市場規模推移・予測(出典:矢野経済研究所)
2023年の市場規模は91億円でしたが、2024年は前年比122.3%の111億3000万円に拡大しています。2025年は前年比120.4%の134億400万円になる見込みです。調査を実施した矢野経済研究所によると、2025年度(2026年3月期)決算でエンゲージメントスコアを開示する企業は引き続き増えると推察。さらに、上場企業以外でも離職防止や人材定着の観点からエンゲージメントスコアを測定し、組織改善に取り組む企業は増加すると見込んでいます。こうした経緯から、2025年の市場は拡大すると予測しています。
なお矢野経済研究所は、従業員エンゲージメント診断・サーベイクラウド市場の変化も考察します。具体的には、企業のエンゲージメント向上への取り組みは、測ることから行動することに軸足が移りつつあるといいます。これまではエンゲージメントの診断やサーベイを実施するものの、可視化された結果をもとに具体的な施策を打ち出す企業はごく一部に限られていました。しかし現在、アクションの立案・実行・検証までを含むPDCAサイクルを回す企業が増えているといいます。慢性的な人材不足や採用難、若手の早期離職、高齢化による属人化などの喫緊の課題に直面する中、エンゲージメントをただの「理想」ではなく、「取り組まなければ人が定着しにくい」という現実的な経営指標と捉える企業が増えていることが背景にあると同社は分析します。
一方、中堅・中小企業もエンゲージメント関連サービスを導入し、施策を実行する動きが加速しているといいます。診断ツールなどのクラウド化によって導入・運用の負荷が軽減されたほか、エンゲージメント向上への取り組みが人材定着や現場活性化といった課題解決に直結すると考えられていることに起因します。さらに、金融機関などの外部パートナーを通じた支援スキームが整備され、これまで動きが鈍かった企業の実装ハードルが下がりつつあることも中堅・中小企業の取り組みを後押ししているといいます。
矢野経済研究所は企業のエンゲージメント向上への取り組みについて、もはや一部の先進企業だけの取り組みではないと指摘。さらに、事業運営に不可欠な基盤として、多くの企業が本格的に導入・実行へと踏み出す段階に入っていると考察しています。
【関連リンク】
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
「2025 従業員エンゲージメント市場」調査資料
https://www.yano.co.jp/market_reports/C67109200