ヒューマンアカデミーは2025年2月7日、リスキリングの実施状況や取り組みに関する調査結果を発表しました。人事や研修担当者300名を対象に、リスキリングの効果や課題、実施する理由を聞いています。
リスキリングを推進する理由を聞いた結果が図1です。
「各社員のスキルの底上げ」がもっとも多く、65％でした。「業務効率化や生産性向上」（60％）、「デジタル化・DX化の推進」（58％）と続きます。一方、「新たな技術やビジネスモデルへの対応」や「社員の新たな職種へのチャレンジ」と答えた割合は50％を下回っています。リスキリングで社員に新たなスキルを習得させ、これまでと異なる職種で活躍してもらうことを想定する企業は必ずしも多くないようです。
リスキリングの研修やセミナーを実施したことでどんな効果を得られたのかを聞いた結果が図2です。
前問同様、「各社員のスキルの底上げ」がもっとも多く、58％でした。以下、「デジタル化・DX化の推進」（56％）、「業務効率化や生産性向上」（55％）と続きます。「特に効果は無かった」と答えた割合は5％にとどまり、95％の企業が何かしらの効果を上げていることが分かります。
前問の上位3つの回答と、今回の上位3つの回答は一致しています。リスキリングを推進する理由と実際の効果が一致していることから、リスキリングを実施することで期待通りの効果を上げている企業が多いことが分かります。
リスキリングを推進するにあたっての課題を聞いた結果が図3です。
「社員の学習時間の確保が難しい」がもっとも多く、40％でした。「予算が十分に確保できない」（34％）、「研修プログラムをどのように選定すべきか不明」「社員のモチベーションが低い」（ともに31％）と続きます。
結果から、時間や予算による制約を課題と捉える企業が多いことが読み取れます。調査を実施したヒューマンアカデミーは、リスキリング関連の助成金では勤務時間内の学習を要件として定めるケースが多いと指摘。そのため企業は、業務と学習を両立させる方策を検討する必要があると考察します。
【調査概要】
調査方法：Webアンケート
調査期間：2024年12月16日～12月20日
対象地域：全国
調査対象者：民間企業に勤める人事・研修担当者
回収件数：300件
回答者が勤務する会社の従業員数：1000名未満37％、1000名以上63％
【関連リンク】
ヒューマンアカデミー株式会社
https://manabu.athuman.com/
調査資料のダウンロード
https://biz.athuman.com/materials/detail/0003.php
