パーソルイノベーションは2025年4月2日、リスキリング施策に関する調査結果を発表しました。同社は四半期ごとに調査を実施し、実施率の推移などを調べています。9回目となる今回は定点観測に加え、リスキリングの失敗事例や報酬の変化、生成AIの業務活用時の課題なども調査しています。
勤務先が直近1年の間にリスキリング施策を実施したかどうかを聞いた結果が図1です。

「実施した」と答えた割合は41.7%で、前回(2024年11月)調査時より0.1ポイント減少しました。なお、企業規模別では、大企業の「実施した」の割合は63.3%(前回より0.3ポイント増)、中小/スタートアップ企業の「実施した」の割合は33.4%(前回より1.5ポイント増)でした。
リスキリングで重視するスキルを聞いた結果が図2です。

1位は「データ活用」で38.6%でした。以下、「AI活用(ChatGPT等)」(34.1%)、「セキュリティ」(32.2%)、「ITプロジェクトマネジメント」(30.7%)と続きます。なお、企業規模別でも「データ活用」は大企業と中小/スタートアップ企業の1位でした。
リスキリングの成果を聞いた結果が図3です。

「大きな成果が出たと感じている」と答えた割合は12.4%で、「成果を実感できた」(59.2%)と合わせると、7割以上の企業がリスキリングによる成果を実感していることが分かります。
一方、リスキリング施策に取り組む中で失敗したことが何か。主な失敗例を聞いた結果が図4です。

もっとも多かったのは「従業員任せになり、成果に繋がらなかった」で、38.2%でした。以下、「研修・学習内容が実務にマッチしていなかった」(35.6%)、「会得したスキル・知識を実践する場がなかった」(31.8%)と続きます。
ChatGPTなどの生成AIを業務で活用する際の課題を聞いた結果が図5です。

もっとも多かったのは「検索エンジンと似た使い方が主で活用効果を実感できていない」で、45.0%でした。以下、「業務プロセスに組込む方法が分からない」(30.9%)、「生成AIの回答内容が低精度で役立たない」(29.8%)と続きます。調査を実施したパーソルイノベーションは、生成AIを使って何を実現するのかを明確にする必要があると指摘します。さらに、生成AIを活用する際の旗振り役も選出すべきといいます。
リスキリングに取り組んだことで報酬に影響があったのかを聞いた結果が図6です。

もっとも多かったのは「月額2万円程度アップした」で、28.5%でした。以下、「特に変化なし」(24.3%)、「月額3万円程度アップした」(20.2%)と続きます。アップしたと回答した割合を合わせると7割を超えており、多くの企業がスキル習得と報酬増加を結び付けていることが窺えます。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業にお勤めの方
調査期間:2025年1月30日~2025年2月4日
対象人数:600
企業属性:
・大企業:従業員数が300人以上の企業
・中小企業とスタートアップ:従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない。
【関連リンク】
パーソルイノベーション株式会社
https://persol-innovation.co.jp/
Reskilling Camp
https://www.reskillingcamp.jp/