コンサルタントといえば「激務」。そんなイメージを持っている人は少なくありません。では実際にどのような1日を過ごしているのか。今回はZEINのコンサルタント 庄司誠正マネージャーの1日に密着。コンサルタントとして働く中でのやりがいや大変だと感じていることを聞きました。
プロフィール

庄司 誠正
ZEIN株式会社 マネージャー
大学在学中にエンジニアとしてベンチャー企業でインターンを経験。卒業後は新卒としてインターン先に入社する。エンジニアとして企画から開発、運用まで幅広い業務を担当。その後、ZEINに入社。2018年の入社以来、ITコンサルタントとしてシステム開発やDX推進のプロジェクトに携わる。現在はマネージャーとしてプロジェクトの推進やチームマネジメントを担い、後輩の育成にも注力する。
庄司さんのある1日のスケジュール
6:30
リモート勤務の場合は少し遅めの起床となることもあるが、クライアント先に出社する場合はおおむね6時30分ごろに起床。7時過ぎのバスに乗りながら、スマートフォンで経済系のニュースアプリをチェック。最近の業界動向やDX、AI関連の最新情報を把握しつつ、プロジェクトに関わる情報のインプットを行う。
9:00
クライアントやメンバーと朝会を実施。直近の進捗や課題を共有し、今日やるべきタスクを明確にする。特にシステム開発プロジェクトではリリースまでのスケジュール管理が重要なため、細かい進捗確認やリスクの洗い出しを徹底する。共有した内容がその後の業務の流れを左右するため、慎重に進めるよう心掛けている。
10:00
プロジェクトメンバーと1on1ミーティングを実施。単に進捗を確認するだけでなく、困っていることがないか、今後どのような成長を目指したいのかなども話すようにしている。他にも資料作成やクライアント対応についてアドバイスしたり、プロジェクトの背景を詳しく説明したりし、仕事の意義を理解してもらうことを意識している。

11:00
社内ミーティングを実施。クライアントに報告するための資料について認識を合わせる。プロジェクトの重要な意思決定につながる資料のため、伝え方やストーリー構成を慎重にチェック。時には過去の成功事例を参考にしながら、より納得感のある提案ができるよう調整を重ねる。
12:00
昼食。オフィスで食べるメンバーも多いが、気分転換をするために外食に行くことが多い。リモートワークが増えたため、オフィスに出社する日は昼食時のコミュニケーションも大切にしている。
13:00
社内ミーティングの結果を基に、クライアントへの報告資料をブラッシュアップ。ミーティングでの意見を反映し、より論理的にまとめて整理する。特にクライアントが意思決定しやすいよう、要点を簡潔にまとめたり、グラフや図を使って視覚的に伝えたりする工夫を心掛ける。

15:00
別プロジェクトのミーティングのため、会議室を借りてリモートで打ち合わせに参加。現在並行して進めているプロジェクトが複数あるため、スケジュールを調整しながら最適な時間にミーティングを設定する。クライアントごとに課題や目的が異なるため、頭を切り替えながら臨むようにしている。

16:00
ミーティング用の資料作成。単にスライドを作るのではなく、「どうすればクライアントに納得してもらえるか」を意識しながら構成を考える。プレゼンの流れをシミュレーションしながら、説明の仕方や強調すべきポイントを整理することも心掛けている。

18:00
クライアントとの対応が終わり、資料の最終チェックも完了。本日のタスクを終え、退社。
19:00
帰宅後は子供と遊んだり、お風呂や寝かしつけをしたりする時間。仕事モードからいったん離れ、家族との時間を大切にすることでリフレッシュ。子供が寝た後は、リビングで妻と雑談したり、録画したドラマやYouTubeを見たりして過ごすことが多い。
23:00
就寝前に明日やることを考える。クライアントとのミーティング内容や進捗の確認を軽く振り返り、次の日の予定を整理。必要に応じてスマートフォンで業界ニュースをチェックし、最新のトレンドを把握。平日は仕事と家庭のバランスを意識しながら、翌日に備える。
庄司さんがコンサルタントになって思うこと、感じること
――日々の業務の中でやりがいを感じることは何ですか。
クライアントに「いてくれて助かった」「もっと一緒にやりたい」と言ってもらえるときです。コンサルタントとしてプロジェクトに関わる以上、クライアントの課題解決に貢献できたと実感できる瞬間は、何よりのやりがいです。例えば、大規模システムをリリースするプロジェクトを無事に完遂したとき、クライアントから「本当に助かった」と言われると、自分の仕事が価値あるものだったと感じます。
自分が関わったシステムやサービスが世に出たときもやりがいを感じます。システムやサービスがニュースになったり、多くの人に使われていたりするのを見ると、「あのプロジェクトに携わったんだ」と誇りに思います。特にITコンサルタントとして、エンジニアの経験を活かしながらプロジェクトを推進できることは、自分にとっての大きなモチベーションです。
一方、後輩の成長を感じる瞬間もやりがいにつながっていますね。マネージャーである私の場合、チームをまとめて成果を出すことが求められます。最初は教えるのが得意ではありませんでしたが、後輩が成長し、クライアントと率先してやりとりできるようになったり、提案が通ったりするのを見ると、「ちゃんと伝わっているんだな」と嬉しくなります。
――大変だと思うことはありますか。
ITコンサルタントとして、システムのリリース前後は大変ですね。順調に進んでいても、最後の最後でトラブルが発生することはよくあります。こうした状況をどう収束させるかが勝負です。さらに、クライアントとエンジニアの間に立つ立場として、双方の要望を調整しながらプロジェクトを前に進めることにも気を使いますね。
マネージャーになってからは、自分のタスクをこなすだけでなく、チームメンバーに仕事を振り、進捗を管理する役割も増えました。最初は「自分でやったほうが早い」と思ってしまうこともありました。しかしグッとこらえ、どうすれば後輩が成長できるかを考えながら仕事をするようになりました。後輩の育成は大変だと感じつつ、成長をうれしくも思えますね。
――今後はどんなコンサルタントを目指しますか。
自分の強みをさらに伸ばし、「この案件なら庄司に任せよう」と言われるようなコンサルタントになりたいですね。コンサルティングという仕事を続けていると、関わる業界や分野が偏りがちになります。自分の場合は金融業界の案件やシステム系のプロジェクトが多く、これらの知見を深めることができました。今後はこの経験を活かしつつ、さらに専門性を高めていく一方で、新しい業界や分野にも挑戦し、対応できる幅を広げていきたいとも思っています。
今はマネージャーとしてチームをまとめる立場ですが、今後は戦略的な提案にも踏み込んでいきたいと思っています。これまでは会社から与えられた案件を担当することが多かったのですが、今後は自分でプロジェクトを作り出し、提案する力を身につけたいですね。そうすることで、自分のやりたい分野により深く関われますし、会社も新しい領域にチャレンジできるようになるのではと考えます。