成田国際空港は2024年9月12日、空港のイノベーション推進を目的とするアライアンス「Airports for Innovation」への加入を発表しました。アジアの空港が同アライアンスに加入するのは初となります。これに伴い、スタートアップ企業から革新的なアイデアを募るオープンイノベーションプログラムも開始します。
「Airports for Innovation」は、空港の利用体験向上を目指す国際的なアライアンス。最新技術やデジタルソリューションをアライアンス加入空港間で共有し、空港同士が協力してイノベーションを推進することを目的にします。2021年5月の設立以降、アテネ国際空港、コートダジュール空港、ダラス・フォートワース国際空港、バンクーバー国際空港、ミュンヘン国際空港、ドバイ国際空港、オマーン空港が加入。今回新たに成田国際空港も同アライアンスに加入しました。
「Airports for Innovation」に加入する空港は、連携しながら次の3点に取り組みます。
・より良い新たな旅客体験を創出するための革新的なソリューションをデザインすること
・ネットワーク内のどの空港でも旅客がより便利に利用できる技術や共同での解決策の採用を促進すること
・航空業界全体でスタンダードとなり、長期にわたって採用される実用的なモデルを提案し、テストすること
これに伴い、成田国際空港は「Airports for Innovation」が主導するオープンイノベーションプログラムの参加企業の募集を開始しました。スタートアップ企業から新たな技術やアイデアを募り、空港の利用体験向上につなげるのが狙いです。
オープンイノベーションプログラムはスタートアップ企業を対象に、高い技術力や革新的な価値を有する提案を募るもの。具体的には次の4つのテーマに関わるアイデアを募集します。
・Seamless travel experience
デジタル技術や最新サービスを活用し、旅マエから旅アトまでを含む旅行全体が効率的で、かつ顧客中心の体験を生み出す革新的なアイデア
・Sustainable Aviation
持続可能で環境への影響を低減するソリューション。ネットゼロ空港を実現し得るソリューションやアイデア
・Smart Luggage Revolution
旅行体験における手荷物のあり方を再定義し、イノベーションを起こすアイデア。単なる技術的な進歩にとどまらず、旅行者の利便性、セキュリティ、サステナビリティ向上を実現する手荷物ソリューション開発のヒントとなるアイデア
・AI-Powered Airport
運営効率、旅客体験、および総合的な航空マネジメント向上のためのAIの活用方法
オープンイノベーションプログラムに採択されたスタートアップ企業は、「Airports for Innovation」に加入する空港運営事業者(少なくとも2者)とアイデアやソリューションの有効性を検証します。実際の空港で実証実験を進めることから、採択企業は自社の成果をグローバル市場に拡大させるチャンスも見込めます。
成田国際空港は実証実験に取り組む実験場としての実績を積み、新たな価値創造を加速させる考えです。「Airports for Innovation」に加入する空港とのネットワークを活かし、新たなサービス提供や技術の導入も進めます。
【関連リンク】
成田国際空港株式会社
https://www.naa.jp/jp/
プレスリリース
https://www.naa.jp/jp/docs/20240912_AirportforInnovation.pdf