KDDIは2024年12月17日、専門領域に精通する社員(プロ人財)を全社公開したと発表しました。複数の事業領域をまたぐ業務が増える中、プロ人財を把握しやすくすることで業務を円滑に進められるようにします。
KDDIは、テクニカルスキルの評価が5段階中4以上を取得した非管理職の社員をプロ人財と定義。プロ人財には難易度の高い業務に携わるだけではなく、組織の枠を超えた多様なコラボレーションに関わることも期待しています。
そこで今回、組織横断のコラボレーション促進などを目的に全社公開に踏み切りました。対象者は2024年12月16日時点で1,051名。マーケティングなどの30の専門領域に精通するプロ人財を公開します。具体的には、プロ人財の連絡先に「プロ人財認定マーク」というアイコンを表示させ、全社員がアドレス帳を通じてプロ人財を探し出せるようにします。なお、2024年11月7日から全社に公開しています。

KDDIは2022年から2025年までの中期経営戦略で、「サテライトグロース戦略」という方針を打ち出しています。モビリティやスポーツエンタメ、Web3メタバース、ヘルスケア、宇宙といった5領域を次の成長領域と定義し、事業拡大を進めています。事業領域が広がる中、複数事業を連携した業務推進の必要性が増しつつあることから、プロ人財を可視化することにしました。
一方、KDDIは社内フリーエージェント制度(FA制度)の開始も同日、発表しました。優秀な人材を成長領域や重要ポジションに異動させ、組織や事業を成長させられるようにします。当人のキャリア実現も支援します。
KDDIが新たに導入したFA制度では、プロ野球のようにFA権を得た社員が異動希望を表明できるようになります。獲得希望部門のオファーを受け、自身で所属先を選択します。社員は複数部門からオファーを受けることもあり、現所属部門への残留も含めて所属先を検討できます。2024年12月時点でFA制度の対象者は457名。そのうち73名がFA宣言し、11名の異動が決定しました。

FA制度を導入することで、社員は自らの市場価値を把握できるようになります。成長が見込めるキャリアを自律的に形成するきっかけにもなります。企業側は人事異動のプロセスを可視化することで、社員の異動への納得感を醸成する効果を見込めます。
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