人的資本経営に注力する銘柄を選定した「JPX日経インデックス人的資本100」公開、女性管理職の割合なども選定時の加点対象に

JPX総研と日本経済新聞社は2025年7月22日、新たな株式指数「JPX日経インデックス人的資本100」を公表しました。人的資本経営に注力する企業の動向を表す指標として使われることを想定します。

2023年3月末決算の有価証券報告書から人的資本に関する開示が義務化したのを機に、人的資本経営が自社の競争力や価値を向上させる重要な取り組みであるという認識が高まりつつあります。こうした経緯から、人的資本経営を打ち出す銘柄を「JPX日経インデックス人的資本100」として選定。人的資本の取り組みや情報開示を充実させている企業のパフォーマンスを俯瞰できるようにしました。「JPX日経インデックス400」の構成銘柄のうち、一定の基準を満たす上位100銘柄を選定します。

銘柄の選定は、ドイツに本拠を構えるESG評価会社「ESG Book」が実施します。具体的には、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)という非営利団体が策定する情報開示の基準を踏まえ、人的資本スコアを算出。その上で、女性管理職の比率や従業員の平均年間給与の成長率などの重要ポイントを加点し、総合人的資本スコアを割り出します。

「JPX日経インデックス人的資本100」を公表することで、投資家は人的資本経営による企業価値向上の成果を把握しやすくなります。一方の企業は、投資家の期待に応えようと人的資本経営への取り組みを強化し、双方による好循環を見込めるようになります。

なお、銘柄の入れ替えは年に一度実施します。毎年6月の最終営業日を入れ替えの基準日とし、毎年8月の最終営業日に銘柄を入れ替えます。

【JPX日経インデックス人的資本100概要】
構成銘柄数:100銘柄
構成銘柄の概要:JPX日経インデックス400の構成銘柄を母集団とし、人的資本(ヒューマンキャピタル)を意識した経営への取組状況等を基に選定
総合人的資本スコアの算出:ESG Bookが提供する「ESG Performance Score Core – Dimension Human Capital Score」に対して、以下の3項目に該当する場合に、それぞれ加点する。
・女性管理職比率が30%以上
・従業員平均年間給与の成長率がJPX日経400構成銘柄の上位10%
・従業員一人当たり営業利益の成長率がJPX日経400構成銘柄の上位10%
構成銘柄の選定:総合人的資本スコアの上位100銘柄を構成銘柄とする。ただし、定期入替においては、定期入替基準日(毎年6月最終営業日)におけるJPX日経インデックス人的資本100の構成銘柄のうち、総合人的資本スコア順位が120位以内の銘柄を採用し、銘柄数が100に不足する場合には、非構成銘柄のうち総合人的資本スコア順位の上位から100銘柄になるまで採用する。
定期入替:毎年6月最終営業日を定期入替基準日とし、毎年8月最終営業日に定期入替を実施する。
算出方法:浮動株調整時価総額加重型(10%キャップ、総合人的資本スコア順位に応じた順位係数を用いたウエイトの調整あり)
順位係数の算出基準:
(総合人的資本スコア順位/順位係数)
1位から25位/2.0
26位から50位/1.5
51位から100位/1.0
101位から120位/0.5
起算日・基準値:2017年8月31日(木)・10,000ポイント

【関連リンク】
JPX日経インデックス人的資本100
https://www.jpx.co.jp/markets/indices/jpx-nikkei400/02.html