富士通は2025年8月6日、人的資本経営に関するレポート「CHRO Roundtable Report 2025」を公開しました。人事戦略に関する各施策の相関関係や、HRを通じて事業戦略を支援する「HRBP(Human Resource Business Partner)」の考え方などをまとめています。
富士は現在、データドリブン経営を推進。人事関連のデータを収集、分析し、その結果から得られた洞察を各種施策に反映しています。その一環で、企業のCHRO(最高人事責任者)同士が議論する「CHROラウンドテーブル」を開催。人的資本経営を実践するにあたって作成したフレームワークを共有したり、企業価値向上の指標となる人事データのつながりを可視化したりし、根拠に基づいた人的資本経営を推進できるよう取り組んでいます。「CHROラウンドテーブル」は2022年から2024年にかけて第1回と第2回を実施。参加企業が人的資本経営を打ち出すに至ったストーリーを作成し、多くの企業で汎用的に活用できるかの検証を進めてきました。
2024年10月から2025年6月に実施した第3回の「CHROラウンドテーブル」では、ENEOSホールディングス、日本郵船、三井住友フィナンシャルグループ、レゾナック・ホールディングスが参加。これまでのCHROラウンドテーブルの内容をもとに意見を交わすとともに、「データドリブンで進めるHRBP活動による人的資本経営の実践」をテーマに議論を重ねました。
今回公開した「CHRO Roundtable Report 2025」では、CHROラウンドテーブル参加企業の取り組み事例から得られた共通のアプローチ方法を紹介しています。具体的には「企業価値向上モデル」と呼ぶフレームワークを使って可視化した「人的資本経営ストーリー」とHRBP活動の関係を図式化。HRBP活動のあるべき全体構造を例示し、人的資本経営を実践するにあたっての取り組み内容や相関関係などをイメージできるようにしています。全体構造をイメージすることで、人的資本経営ストーリーを現場に実装し、事業成長につながるような実践に落とし込めるといいます。図を参考に自社の人的資本経営の全体構造を可視化すれば、何が足りないのか、何をすべきかも比較検討できるようになります。

レポートでは、HRBP活動に取り組むポイントにも触れています。例えば人事戦略を策定する際には、人材ポートフォリオと必要な人材の要件定義により、As isとTo beギャップを把握。経営戦略を実現するための人材面の課題を洗い出した上で策定するのが望ましいとしています。
一方、人事施策が事業成長に貢献するためには、データを使って現場にフィットするよう施策を展開したり、効果測定によって納得感を高めたりすべきとしています。一過性の施策にならないよう、PDCAを回しながら人事施策やHRBP活動の有効性を高め、事業部門に伴走しながら支援することも重要だといいます。
富士通は今後、CHROラウンドテーブルで議論した内容をもとに、企業が人的資本経営を実践できるよう主導していく考えです。顧客の人的資本経営推進による変革を支援していきます。



